悪魔は囁く Ren.N (ページ21)

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……とはいえ。

「 …永瀬廉今日1人なの？」

廉「悪いか」

「悪いわ！
えー永瀬廉と2人かーーー」

廉「あ？帰るわ」

「わー！待って待って！！
嬉しいな！！永瀬廉と2人嬉しいな！！」

荷物を持って歩き始めた永瀬廉を
玄関まで先回りして止める

両手を広げて廊下をふさぐ

廉「へえ、そんなに嬉しい？」

「はいもちろん」

廉「ふーん…じゃあ」

「わっ！」

ぐいっと腕を引かれ

体は勢いよく半回転し
背中は壁に打ち付けられる

ばん、という大きな音とともに
顔の真横に置かれたのは永瀬廉の手

「か、壁ドン… 」

廉「嬉しそうやん」

にやりと妖しく笑う永瀬廉

あれ、
テレビのキラッキラアイドルスマイルの面影はどこへ？

廉「なあ、2人っきりやな」

「そ、そうすね」

廉「 …こっちみろや」

「さあ仕事仕事～… 」

永瀬廉の手で塞がれていない方から素早く抜け出そうとすると
もう片方の手で
ばん、と道を塞がれる

廉「逃げんな」

「む、無理無理無理！どいて！！」

廉「 …チッ、うるさい口やな」

「うるさいもん！
どいてどいてどいてどいてどいて！！」

廉「黙れ」

「 …！」

顎に手を添えられ乱暴に顔を上げられる

永瀬廉の顔が傾いて近づいて来て……

思わずぎゅっと目を瞑る

…

…

…あれ？

何も起こらないことを不思議に思って目を開けると
真顔で私を見つめる永瀬廉

「 …え？」

廉「ブスすぎて萎えたわ」

「 …なっ」

一気に顔が熱くなる

それを見て吹き出す永瀬廉

廉「ぷっ、嘘やって、全部冗談」

「冗談きついわ！！」

廉「あーほんまお前弄りがいあるわ」

「嬉しくないし！」

最悪！

こんなの誰だって本気にするわ！

…ドキドキしちゃったじゃん！ムカつく！

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