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第6話-人質の解放 ページ8

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「──うわあああッ!!?!!何だァッ?!コレッ!??!」



 それは一瞬の隙だった、犯人の男は腕を俺の身体から離して自身の顔を拭おうとした。



 その隙を見逃さずに、若手の警察官が崩れ落ちる俺の身体をキャッチし、小太りの警官犯人の男に突進し、床に寝し伏せていた。



 それを皮切りに、一気に警察官が男に向かって走り出して拘束し、爆弾の起爆スイッチと刃物を押収していた。




 俺はというと、身体が離されたと同時に駆け寄ってきた若手の警察官に抱き抱えられ、急いで救急車に載せられた。



 朦朧とした意識の中で、俺が見たのは風で揺られているオールバックの髪型だった。












 俺が意識を取り戻したのは、病院に着いた直後の事だった。



 白いベッドで横になっていた俺の隣には、若手のオールバックの警察官がいた。



 その警察官は、俺の目が覚めたことを知るとナースコールを押して医師と看護師を呼んだ。


 問診等の診察を経て、俺に外傷以外の異常がないことを確認されると彼は少し安堵していた。


「無傷で助けられなくて、怖い思いをさせちまって、すまなかった・・・・・・」


 彼は俺に頭を下げて何度も謝罪していた。


「・・・・・・助けて頂いて、ありがとうございます。俺は・・・・・・、平気です」


 彼は全力で俺を助けようと行動してくれていたのだ。・・・・・・彼が謝る必要なんてない。


「・・・・・・」


「人質に取られて、平気なわけあるか・・・・・・」


 そして、彼は呆然としている俺の頭を撫でながら、力強い声で話しかけてきた。



「少年、──よく、頑張ったな・・・・・・!」



「──っ・・・・・・!」



 大きな手のひらの温もりが、胸の奥に染み込んできた。



「おれ、っ・・・・・・おれ・・・・・・はッ、ぅ」



 緩やかに解けてきた緊張が、次第に目尻に熱を持たせていく。



「・・・・・・ぅ、ぅっう・・・・・・っんッ・・・・・・ぐすッ」


 ついに俺は瞳から溢れ出てくる涙が止められなくなってしまって、更に涙が頬を伝って流れ出てきた。



「おー泣け、泣け、今のうちに泣いておけ・・・・・・。親御さんには、お前の元気な顔を見せてやってくれ」



 わしゃわしゃと頭を撫でられながら、俺は涙が止まるまで泣き続けていた。




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第7話-お見舞い→←第5話-救出への裏口 Side:松田



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作者名:猫饅頭。 | 作成日時:2023年5月23日 3時

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