第22話-不穏な知らせ ページ24
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「梅川巡査部長、見回り行ってきます」
二人の警察官が、デスクで事務処理を行なっている俺の前に来た。
「ああ、二人とも気を付けてな。最近、警察官を狙った犯罪が増加しているようだから」
数日前も交番に不法侵入を試みていた不審人物がいたのだ。当然、居合わせた俺は襲ってきたその男を現行犯で逮捕した。
「勿論、心得ております。万が一、不測の事態がありましたら、急遽応援要請致します」
二人が俺の目を見て頷くと、扉から出て行った。
「よし、少し休憩するか」
巡査部長になってから、圧倒的に事務作業が多くなっていた。
個人的には、身体を動かしていた方が性に合っているのだが、責任ある者として重要な書類には目を通して置かなければならない。
俺は戸棚に常備されている、粉末状のカフェオレと、角砂糖二つをコップに入れた。そして、そっとポットのお湯を注ぎ、スプーンでかき混ぜた。
「あ〜糖分摂取、染みるぜ」
部下のいる前で気を抜くことができない俺にとって、唯一心と身体の緊張を解いてくれる飲み物だ。
少し深めにイスに腰を下ろした俺は、中断していた仕事を再開した。
そんな中、静かな交番に電話の受信音が耳に入ってきた。
「──こちら、米花町△△△交番。事件ですか、それとも事故ですか?」
──「事件ですッ、不審な爆弾のようなモノが、ああどうしてここに、爆弾だったら」
「落ち着いて下さい、マンションの場所を教えて下さい。──はい、××××ですね、すぐにそちらに向かわせますので、安全な場所に避難して下さい」
そう言い終えたその時、交番の無線が鳴った。
『緊急事態発生、米花町××××のマンションに爆弾が仕掛けられているとの犯行声明を確認。各所応援を要請する───』
俺はすぐに見回りに出掛けている警察官達に応援要請すると、『了解しました』と返答が返ってきた。
「なんて日だ・・・・・・。いや、なんて街だよ。爆弾って・・・・・・何処のテロリスト映画だよ、物騒過ぎるだろ」
俺も今すぐに向かいたいところであるが、人が出払っている状況で此処を動く訳にはいかなかった。
「陣平、研ちゃん・・・・・・」
爆弾と聞いて、幼馴染の彼らが頭に浮かんでいた。何故なら、彼らが配属されていたのは機動隊の爆発物処理班だからだ。
「悪戯で済んでくれたらいいんだがな」
彼らが出動する、そんな事態が来ないことを俺は願っていた。
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作者名:猫饅頭。 | 作成日時:2023年5月23日 3時