第1話-将来の夢 ページ3
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両親共に教職員の俺は、周囲から物事を教える事が上手いと言われることが多く、自身も教えることは好きだった。
「Aちゃんの教え方って、すげえ分かりやすいよ」
「ま、その辺のセンコーよりは断然マシだな」
「確かに、中々向いているんじゃないか?」
幼馴染からのお墨付きもあって、自然と俺も教師になりたいと思うようになっていた。
そう・・・・・・将来の夢は、小学校の先生になる事だった。
あの事件が起こるまでは・・・・・・。
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中学生の夏、俺は近所で起きた事件に巻き込まれた。
たまたまその日は、夜遅くまで仕事の両親に代わり、お使いを頼まれて米花町にあるスーパーに訪れていた。
「えーと、卵に牛乳、キャベツと、・・・・・・人参っと」
俺はメモ用紙を確認しながら、カートを押しながら品物を入れていった。
──そういえば、余ったお金はお小遣いって・・・・・・言ってたっけ。
俺は持たされた3,000円をから、今回の合計金額を計算する。
「えーと1,650円か、沢山お菓子買えるな・・・・・・」
俺は陣平に研ちゃん、千速が好きなお菓子をカゴに入れていく。
この後、家で勉強会という名のお菓子パーティをする予定だった。
「こんなもんか?」
俺がカゴいっぱいになったお菓子を眺めていると、前から様子がおかしい男の人が歩いてきた。
その男の人は、左手に紙袋、そして右手には白い光を放つ鋭利な何かを持っていた。
周囲の人々が悲鳴を上げ、逃げ惑う中、男によって倒された商品だなに逃げ道を塞がれ角に追いやられてしまった。
「──っぅく!?」
そして、気が付いた時には俺はその男の腕の中にいた。
「テメええらあ゛あ゛ッ!!!このガキが殺されたくなかったらなァ!!店長を出せェェ!!!!」
首元に突き付けられたナイフが、小刻みに震えている。
「っ・・・・・・!!」
俺は腕から逃れようと身を捩ったが、大人の男の力には到底敵わず、逆に先程よりも首元を締め付けられた。
「大人しくしやがれッ!!今すぐ殺すぞガキッ!!」
「やっ、やめて下さいッ!!」
50代くらいの店長らしき男が、青ざめた顔でスタッフルームから出て来た。
「そ、その子は関係ないじゃないかっ・・・・・・」
男はそれを聞くなり、更に激昂した。
「テメエがッ今まで!!無関係の俺をッ散々コケにしやがったんだろうがァッーー!!」
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作者名:猫饅頭。 | 作成日時:2023年5月23日 3時