第9話-思春期なお年頃 ページ11
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中学生とは、実に多感なお年頃である。
確固たる意思のある者は別だが、周囲の環境に流されやすく、良くも悪くも人格形成に大きく影響が出て来てしまうのだ。
そんな中、幼馴染である陣平が周囲からの被害を受けていた。
「あれ？陣平、その顔の傷どうしたんだ？」
3限目の移動教室の為に、友人と話しながら職員室前の廊下を歩いていると、顔にいくつも絆創膏を貼った陣平が居た。
「･･････何でもねえ」
そう言って、すれ違おうとした陣平の腕を掴んだ。
「何でもなくはないだろ。･･････喧嘩か？」
「んだよ、っるっせーなッ！説教でもするつもりかよ！」
陣平は気の荒だった猫のように、俺を睨み付けた。
「まあ、そう思ってくれても構わんよ。とりあえず、動くな陣平」
一瞬力が抜けた陣平の腕を手前に引くと、半袖のシャツから青くなった痣が覗いた。
──やっぱりな･･････。
腕を掴んだ時に、表情が少し強張っていたのを感じたが、やはり見た目より痛みがある様子だった。
俺はポケットに入れておいた湿布を取り出すと、陣平の腕に貼り付けた。
「･･････っ、何でこんなモン持ってんだよ！」
「俺はバスケ部のキャプテンだからな、突き指対策ってやつだよ。･･････それに、よく怪我する幼馴染がいるしな」
「ああ？俺の事言ってんのか？？」
「なんだ陣平、自覚があるのか。俺に手当てされたくなかったら、怪我しない方がいいぞ」
「んだとッうわッ！？」
俺は陣平の頭をわしゃわしゃと撫でた。
「っ、だッー！ガキ扱いしてんじゃねえぞ！」
必死に俺の手を振り払おうとしてくる陣平は、絶賛反抗期中の弟のようで何だか微笑ましい。
「なんか困った事あったら、俺達を頼ってくれよ？一緒に悩んでやる」
「そこは解決するとか、言うとこじゃねえのかよ」
「無責任なことは言えないからな。でも、悩んだ責任は取るから安心しろ！」
「は？」
何故か陣平が一瞬固まった。
「──それって･･････」
「おい、梅川〜。可愛い後輩構ってるのは良いけどよ、もうすぐで予鈴なるぜ」
「マジかごめん、今行くわ。じゃあな、陣平」
俺は陣平に背を向けると、少し先で待っていた友人の方へ向かった。
「･･････責任取るって、どういう意味だよ」
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作者名：猫饅頭。 | 作成日時：2023年5月23日 3時
