第5話-�� ページ6
＊＊
「･･････」
ジンから上から押さえつけられて、身動きが取れない。
━━どこかで、この光景を見た様な気がする。
「俺が殺そうと思えば、一瞬で殺せる」
革手袋の感触が首に伝わってくる。
「っ･･････」
苦しい、痛い･･････はずなのに、そんな感情とは別に、ジンへの圧倒的な服従心が俺を襲った。
━━抗え、ない･･････。
ウォッカが心酔し、忠誠を誓う存在であり、･･････俺の生殺与奪の権を握っている。
「･･････ぁ、ぐ･･････」
この手で、いとも簡単に俺を殺す事が出来る。
「そうだ･･････、俺には逆らえない、抗えない、逃げられない。俺に殺されるその瞬間まで、テメエは━━俺の
そういうと、ジンは掴んでいた俺の首から手を放した。
「ッ、━━げほ･･････ッゥゲホ、ッ･･････、ゲホ、ハッ･･････はっ、はあぁっ･･････」
俺は突然の解放を与えられ、激しく咳き込んだ。
「ルシアン、テメエは有能な組織のシステムエンジニアだ。━━が、甘過ぎるぜ･･････思わず殺しそうになるくれェにな」
「それは酷っ、過ぎるな･･････俺、あと何回殺されそうになればいい･･････」
「それはテメエ次第だ･･････その甘さが無くなるまで、何度でも締め殺してやるよ」
ウォッカから連絡が来て、ジンは部屋から出て行った。
「･･････」
このままでは確実に数え切れない程、俺は殺される羽目になるだろう。
━━甘さ、か･･････。
ジンの様に、命を奪う事に
一人取り残された部屋で、思考を巡らせる。
『人は皆、幸せになる為に生まれてきた』
何故か記憶にある言葉、記憶から消そうとしているのに思い出してしまう言葉、まるで呪いかの様に苦しめる言葉だ。
己の感情を捨て去って甘さを失えば、俺は幸せになる事が出来る？
「━━分からない、どうすれば良いんだよ･･････」
━━殺せ、殺せ･･････俺を殺せ。
甘い期待は、俺を殺してしまうから。その前に、早く殺しておかないと。
「ウォッカ･･････」
ウォッカが置き忘れていった手拭いを、俺は握り締めていた。
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猫饅頭。(プロフ) - 夢子さん» コメントありがとうございます！かっこいいジンニキと言って頂けて嬉しいです｡｡。応援ありがとうございます！！ (2023年5月11日 19時) (
レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
夢子(プロフ) - ジンニキかっこよきでした。更新楽しみにしてます‼︎ (2023年5月10日 23時) (レス) @page6 id: 913dff5ce5 (このIDを非表示/違反報告)
猫饅頭。(プロフ) - 夜鷹紫苑さん» ウォッカは、懐に入った人間には優しくしてくれるという解釈(偏見)です。それ以外の人間には、ジン同様非人道的であって欲しいと個人的には願っています｡｡ (2023年5月9日 22時) (レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
夜鷹紫苑 - え?優しすぎませんすか? (2023年5月7日 0時) (レス) id: ec66583caa (このIDを非表示/違反報告)
猫饅頭。(プロフ) - 夜鷹紫苑さん» コメントありがとうございます！ウォッカのお手製おにぎり、美味しそうですよね...。その人の好みによって具材とか味付けを変えてくれそうです｡｡ (2023年5月6日 21時) (レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫饅頭。 | 作成日時：2023年5月1日 12時
