第8話-�� ページ44
＊＊
⚠︎暴力表現あり。
「──っ、ぃ･･････！」
腕の鈍い痛みで俺は、意識を引き戻された。
「っ、な、･･････」
顔を上げると、銀色の髪が視界を埋め尽くしていた。
「･･････」
いつの間にか服の袖を捲られていた俺の腕を、ジンは無言で掴んでいた。
「ジ、ジン！腕、･･････っ！」
次第に力が強く込められ、痛みもそれに応じて酷くなった。
──痛い、なに、なんで、怖いって･･････。
一切何も言わないジンの不可解な行動に、俺は逃れられない焦燥感と恐怖だけが募っていった。
「っ、腕痛いって、放してよ･･････」
ジンは俺の声が聞こえていないみたいな様子で、更に力を強めていた。
「っ･･････！」
全力で振り払えば、俺はこの状況から逃れることは可能だろう。けれど、ジンを目の前にすると俺の身体から、意思が全て奪い取られてしまうのだ。
俺の腕を掴んでいない方の手が、俺の顔に向かってきた。
「──っ、う」
ジンの長い指が、俺の首をいとも簡単に締め上げた。
「ぁ、っ･･････、くッ」
気道を塞がれては、緩められ、また塞がれた。
──苦しッ、い、いっ、やだ、死ぬ！
必死にもがいてみたが、ジンの指は絡み付いた蜘蛛の糸の様に、引き剥がせなかった。
──いやだ、ウォッカッ、ウォッカ･･････ッ！
どんなに心で助けを求めても、頼れるウォッカは此処には居るはずもなかった。
生理的な涙が滲んだ。必死に保っていた意識が朦朧とし始め、身体中から力が抜けていった。
「･･････」
ついに意識を手放しそうになった瞬間、急に首の手から解放された。
「──ッ、はっ･･････！！」
膝が崩れそうになった俺の身体を、ジンが後ろにあったベッドに向かって突き飛ばした。
「──ッ、ぅ」
受け身を取ることもままならない俺は、無様な格好でベッドの上に転がっていた。
──どうして、こんな目に。
視界に入った自分の腕には、ジンの手の跡が付いていた。
──あれ？この青痣、いつのだ？
ジンから付けられたものとは別に、朝に着替えた時には、無かった見覚えのない手形の様な形をした青痣がそこにあった。
──そうだ、あの時だ･･････。
「──チッ、気に入らねぇ」
他の事に気を取られていた間に、俺の身体へ新たな証が刻み込まれようとしている事に気付けなかった。
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猫饅頭。(プロフ) - 夢子さん» コメントありがとうございます！かっこいいジンニキと言って頂けて嬉しいです｡｡。応援ありがとうございます！！ (2023年5月11日 19時) (
レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
夢子(プロフ) - ジンニキかっこよきでした。更新楽しみにしてます‼︎ (2023年5月10日 23時) (レス) @page6 id: 913dff5ce5 (このIDを非表示/違反報告)
猫饅頭。(プロフ) - 夜鷹紫苑さん» ウォッカは、懐に入った人間には優しくしてくれるという解釈(偏見)です。それ以外の人間には、ジン同様非人道的であって欲しいと個人的には願っています｡｡ (2023年5月9日 22時) (レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
夜鷹紫苑 - え?優しすぎませんすか? (2023年5月7日 0時) (レス) id: ec66583caa (このIDを非表示/違反報告)
猫饅頭。(プロフ) - 夜鷹紫苑さん» コメントありがとうございます！ウォッカのお手製おにぎり、美味しそうですよね...。その人の好みによって具材とか味付けを変えてくれそうです｡｡ (2023年5月6日 21時) (レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫饅頭。 | 作成日時：2023年5月1日 12時
