第8話-�� ページ41
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「さっさと、乗り込みな」
俺はルイスの運転する車に乗り込むと、ゆっくりと走り出した。帰りも来た時と同じルートを通るようだ。
その車の中で、ルイスが俺に話し掛けてきた。
「長官にえらく気に入られていたな、23番」
「俺は気に入られて欲しくなかったよ」
「言うじゃえねえかガキ、だが･･････その通りだぞ。長官に気に入られた奴は、絶対長生きできねえだろうからな」
先程の長官の言葉が脳裏に過ぎった。
『特に俺やあの男ような人間は、お前みたいな奴をいたぶりたくなるんだ』
あの男、とはジンの事を言っているのだろう。
──ジンは俺をいたぶりたがってる？俺のことが癪に障るし、役立たずだからじゃないのか？
俺が仕事をちゃんとこなした時も、ジンに殴られたり、蹴られたりされた事は数えられない程あった。
──やっぱり分からない。
俺の理解不足なだけなのかもしれないが、考えても避けようのない事だ。
例え酷い扱いを受けたとしても、ウォッカだけは俺を大事にしてくれている事が分かる･･････それで十分なのだ。
──ウォッカ、早く会いたいな。
あの落ち着く声で、『よく頑張ったな』って、温かくて大きな手で俺の頭を撫でて欲しい。
「･･････」
──いや、この歳で甘えてちゃ駄目だよな。ガキくさいって、俺･･････。
気合いを入れ直す為に、俺は両頬を叩いた。
「うおっ、急に何してんだテメエ！自虐か、マゾかよッ」
「気合いの入れ直しだよ」
「はあ？？」
苦笑する俺を見て、ルイスは怪訝な顔をしていた。
施設を出発して一時間程経っただろうか、車はイギリスの中心街へと向かっていた。
「──そろそろ着くぞ、･･････オイ！聞いてるのか、23番！」
「聞いてるよ、ちゃんと」
意識が薄れている中、ルイスの声は聞こえていた。
先程まで暗かった車内が、朝日に照らされて明るくなっていた。
そして、車は路地裏へと入り込み、再び車内は暗くなっていた。
「──降りろ、此処までだ。この先を右折すれば、目的地だ」
ルイスはそういって、顎を動かして催促した。
「じゃあね、ルイス」
俺が降りると、開いた窓から顔を出し、一言残して走り去っていった。
『
──地獄行きは確定か、そりゃそうか。
俺はゆっくりと路地の奥へと歩いて行った。
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猫饅頭。(プロフ) - 夢子さん» コメントありがとうございます！かっこいいジンニキと言って頂けて嬉しいです｡｡。応援ありがとうございます！！ (2023年5月11日 19時) (
レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
夢子(プロフ) - ジンニキかっこよきでした。更新楽しみにしてます‼︎ (2023年5月10日 23時) (レス) @page6 id: 913dff5ce5 (このIDを非表示/違反報告)
猫饅頭。(プロフ) - 夜鷹紫苑さん» ウォッカは、懐に入った人間には優しくしてくれるという解釈(偏見)です。それ以外の人間には、ジン同様非人道的であって欲しいと個人的には願っています｡｡ (2023年5月9日 22時) (レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
夜鷹紫苑 - え?優しすぎませんすか? (2023年5月7日 0時) (レス) id: ec66583caa (このIDを非表示/違反報告)
猫饅頭。(プロフ) - 夜鷹紫苑さん» コメントありがとうございます！ウォッカのお手製おにぎり、美味しそうですよね...。その人の好みによって具材とか味付けを変えてくれそうです｡｡ (2023年5月6日 21時) (レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫饅頭。 | 作成日時：2023年5月1日 12時
