第8話-�� ページ39
＊＊
「･･････ッ！！」
開始と同時に男は、麻袋に入った三発の弾丸を全て口に放り込み･･････そのまま飲み込んだ。
「これで、これで･･････お前の武器は無効化されたァッ！！俺は死なない、死なないんだァァアアッ！！！」
男は猛毒付きナイフを振りかざし、俺の方へ向かってきた。
──その気なら、俺もそうするまでだ。
俺は座っていたパイプ椅子を掴み、心臓を目掛けて突き出されたナイフを防いだ。
「っ、小賢しい奴めェ、大人しく刺されろッ！！」
金属が擦れる嫌な音が耳を劈き、男のナイフを持つ手が震えた。
「死ねェ！早くッ！！」
「無駄口を叩く暇があるんだな。もっと本気で攻めたら？でないと、終わるよ･･････」
俺はパイプ椅子に絡んでいたナイフを弾き飛ばし、掴んだままの椅子を思い切り男に叩き付けた。
「──ぐッ！」
その衝撃で男の右腕が折れ、床に鮮血が滴り落ちていた。
「･･････」
よろける男に向かって、俺は拾い上げたパイプ椅子で何度も殴り付けた。
何度も、何度も。男が床に倒れるまで、俺は腕を振り下ろした。
「うう、ッ･･････ひッ」
武器を失った男は、先程まで見せていた余裕はなく、必死に頭を守るように床へ蹲っていた。
「アンタには悪いけど、此処でくたばる訳にはいかないんだ」
血塗れになったパイプ椅子を床に放り投げると、男は酷く全身を震わせた。
「──、･･････ないで、れ、こ、ろ、ないでくれ･･････」
「･･････」
俺を見る男の目からは、戦意が全く感じられなかった。
「ころさないで、殺さないでくれ･･････。死にたくない、死にたくないんだっ！」
圧倒的に逃亡不可能である施設から脱出を試みる程度には、精神的に参っていたのだろう。けれど、その行為がこの男の寿命を縮める結果となったのだ。
──下手な行動をしなければ、まだ出られた可能性はあったっていうのに。
「アンタは愚かだ。生き残るなら、従っているべきだった」
「無理だ･･････耐えられなかった。外に出たい、自由になりたいんだ･･････死にたくない」
男は消え入りそうな声で、何度も繰り返して呟いていた。
──外に出られたところで、殺される･･････この世に逃げ場なんてないんだ。
例えこの男が勝っていたとしても、その運命は変わらない。
俺達に、選択の余地はない。
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猫饅頭。(プロフ) - 夢子さん» コメントありがとうございます！かっこいいジンニキと言って頂けて嬉しいです｡｡。応援ありがとうございます！！ (2023年5月11日 19時) (
レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
夢子(プロフ) - ジンニキかっこよきでした。更新楽しみにしてます‼︎ (2023年5月10日 23時) (レス) @page6 id: 913dff5ce5 (このIDを非表示/違反報告)
猫饅頭。(プロフ) - 夜鷹紫苑さん» ウォッカは、懐に入った人間には優しくしてくれるという解釈(偏見)です。それ以外の人間には、ジン同様非人道的であって欲しいと個人的には願っています｡｡ (2023年5月9日 22時) (レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
夜鷹紫苑 - え?優しすぎませんすか? (2023年5月7日 0時) (レス) id: ec66583caa (このIDを非表示/違反報告)
猫饅頭。(プロフ) - 夜鷹紫苑さん» コメントありがとうございます！ウォッカのお手製おにぎり、美味しそうですよね...。その人の好みによって具材とか味付けを変えてくれそうです｡｡ (2023年5月6日 21時) (レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫饅頭。 | 作成日時：2023年5月1日 12時
