第8話-�� ページ38
＊＊
最終試験の当日、俺は夜明けと共に指定されている部屋へと連れて行かれた。
「──入れ、此処でしばらく待っていろ」
ルイスが手に持っていたパイプ椅子を床に置くと、そのまま部屋を出て行った。
「･･････」
部屋は十畳程の大きさで、天井付近に監視カメラとスピーカー、そして小さな鉄格子付きの窓があった。
コンクリートの壁には無数の血痕が付着しており、所々激しく何かで叩き付けられたと思われる綻びた赤黒い床が目に付いた。
──気持ち悪い部屋だ･･････。
異様な臭いと空気が籠ったこの場所から、一刻も早く抜け出したいという衝動に駆られた。
「･･････」
俺は置かれたパイプ椅子に腰を掛けて、事が動くのを待った。
その数分後、鋼鉄製の扉がゆっくりと開き、そこから見覚えのある男の姿が現れた。
──初日に麻酔銃で撃たれていた男か･･････。
男は両手両脚に拘束具を付けられたまま、ルイスに引きずられるように部屋へと入ってきた。
「最終試験の説明を行う」
ルイスは、男の拘束具を外しながら話し始めた。
「──今からこの男と戦い、どちらかが戦闘不能になった時点で終了とする。･･････当然だが、勝者は一人だけだ。生死は不問、情けをかければ自分が死ぬぞ」
「俺はッ、俺が勝ったら此処から出してくれるってのは本当だろうなッ！？」
拘束具を解かれた男が、ルイスにしがみついた。
「ああ、そう話がついている。･･････もし、貴様が負けた場合、強制的に実験場へ送還してやる手筈が整っている事も忘れるなよ」
「こ、コイツを殺したら･･････俺は助かるって事なんだよな？！ああやってやる、俺は死なない･･････俺はッ！！」
男は一人でにぶつぶつと呟きながら、床をじっと見つめていた。
「あとは、武器についてだ。貴様にはこれをやろう」
「──拳銃･･････」
俺が渡された拳銃には、弾が装填されていなかった。
「おいふざけるなッ！！不平等じゃねえかッ！！」
「──ああ？？最後まで聞きやがれクソ野郎！貴様はコレだ」
ルイスは男に麻袋とダガーナイフを渡した。
「──拳銃の弾と、即効性の毒物を塗布したナイフだ。精々奪われない様に、殺す気で自衛するんだな」
そう言い残すと、ルイスは部屋を出て行った。
そして、その数秒後･･････開始のサイレンが響き渡った。
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猫饅頭。(プロフ) - 夢子さん» コメントありがとうございます！かっこいいジンニキと言って頂けて嬉しいです｡｡。応援ありがとうございます！！ (2023年5月11日 19時) (
レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
夢子(プロフ) - ジンニキかっこよきでした。更新楽しみにしてます‼︎ (2023年5月10日 23時) (レス) @page6 id: 913dff5ce5 (このIDを非表示/違反報告)
猫饅頭。(プロフ) - 夜鷹紫苑さん» ウォッカは、懐に入った人間には優しくしてくれるという解釈(偏見)です。それ以外の人間には、ジン同様非人道的であって欲しいと個人的には願っています｡｡ (2023年5月9日 22時) (レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
夜鷹紫苑 - え?優しすぎませんすか? (2023年5月7日 0時) (レス) id: ec66583caa (このIDを非表示/違反報告)
猫饅頭。(プロフ) - 夜鷹紫苑さん» コメントありがとうございます！ウォッカのお手製おにぎり、美味しそうですよね...。その人の好みによって具材とか味付けを変えてくれそうです｡｡ (2023年5月6日 21時) (レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫饅頭。 | 作成日時：2023年5月1日 12時
