第7話-Side:ウォッカ ページ36
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ルシアンが訓練施設に行ってから、日本へ帰国し程なくして俺は兄貴からの言い付けで今度取引で使用する現場の下見に来ていた。
「此処の見取り図を見せろ」
俺がそういうと、部下の一人が建物の見取り図を差し出した。
──何だ、この見取り図は･･････。
外側から見た時は存在していた建物の一部が、抜け落ちているかのような空白がそこにはあった。
「──外側から見た時よりデカイな･･････。空白部分の場所は確認出来たのか？」
部下の男は首を横に振り、廊下の奥を指差した。そこには、一部薄い線が四角形に入った壁があった。
──隠し部屋か？何でそんなモンがあるんだ。
一見すると屋根も抜け落ちたボロボロな廃墟だが、昔は何処かの大金持ちでも住んでいたのだろう。
──後で兄貴が来る、念入りに調べておくか。
俺は部下にバールで扉をこじ開けさせた瞬間、異様な異臭が鼻に充満した。
「っ･･････！？何だこの臭いはッ！！」
部屋の中には大量の人骨が･･････なんて事はなく、ただ昔住んでいただろう人間が放置したゴミが溢れていた。
「──何でもいいから此処を塞げ！」
部下が急いで近くに置かれていた板で、開けた穴を塞ぎ始めた。
──此処に兄貴が絶対近付かないように、気を付けておかねえとな。
現場を部下に任せて、俺は車の中で煙草を蒸しているとポケットの携帯が振動した。
「ん？」
携帯を開くと、ベルモットからのメールが受信されていた。
《アナタ達の可愛い子猫ちゃんを見掛けないと思ってたら、訓練施設に入れ込んでいるなんて可哀想な事してたのね。･･････彼は最終試験まで到達したみたいだし、これで少しはアナタの心労は解消されるんじゃないのかしら？》
「･･････っ！ああ、くそっ、何言ってやがるんだ･･････ベルモット」
心情を的確に指摘するようなベルモットのメールに、不覚にも安堵している俺がいた。
──そうか･･････かなりの短期間であの訓練をこなすなんて、俺の目に狂いは無かったようだな。
「ハハッ、そうか･･････」
俺は自然と口元が緩んでいた。
──ルシアンが帰ってきたら、何か美味いモノでも食わせてやるか。
子分の頑張った褒美にご馳走を作ってやるくらいの事はしてやってもいい、俺は上機嫌でそのメニューについて考えていた。
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猫饅頭。(プロフ) - 夢子さん» コメントありがとうございます！かっこいいジンニキと言って頂けて嬉しいです｡｡。応援ありがとうございます！！ (2023年5月11日 19時) (
レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
夢子(プロフ) - ジンニキかっこよきでした。更新楽しみにしてます‼︎ (2023年5月10日 23時) (レス) @page6 id: 913dff5ce5 (このIDを非表示/違反報告)
猫饅頭。(プロフ) - 夜鷹紫苑さん» ウォッカは、懐に入った人間には優しくしてくれるという解釈(偏見)です。それ以外の人間には、ジン同様非人道的であって欲しいと個人的には願っています｡｡ (2023年5月9日 22時) (レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
夜鷹紫苑 - え?優しすぎませんすか? (2023年5月7日 0時) (レス) id: ec66583caa (このIDを非表示/違反報告)
猫饅頭。(プロフ) - 夜鷹紫苑さん» コメントありがとうございます！ウォッカのお手製おにぎり、美味しそうですよね...。その人の好みによって具材とか味付けを変えてくれそうです｡｡ (2023年5月6日 21時) (レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫饅頭。 | 作成日時：2023年5月1日 12時
