第7話-�� ページ35
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「──最終試験受けるんだってな、アンタ」
長官室から帰ってきた俺を、部屋で休憩中の9が声を掛けてきた。
「受けるよ、明日の早朝･･････第一処刑室ってところで」
『第一処刑室』という物騒な名前の時点で、何が行われている部屋なのかが簡単に予想ができた。
「･･････アンタはどうして、此処から出たいんだ」
他人に全く関心が無さそうな9が、珍しく俺に問い掛けてきた。
「確かに此処はクソみたいな地獄だが、それ以上でもそれ以下でもねえ･･････。賢いアンタなら、分かっているはずだ」
部屋の中でくたばるのだけは勘弁してくれよ、そう言っていた9が俺を此処に引き留めようとでもしているのだろうか。
「へえ、9は俺を随分と買ってくれているんだな･･････。でも、俺は9が思っている程賢い人間じゃない」
俺が本当に賢い人間なら、事あるごとにジンの逆鱗に触れるようなヘマはしないだろう。
「俺は元の場所に戻らないといけないんだ」
例え、戻る場所が地獄よりも恐ろしい場所であったとしても･･････ウォッカの役に立つ為に俺は何がなんでも戻るのだ。
「･･････ふーん、あっそ。──でも、いつか絶対後悔するぜ。此処の方がマシだったって、･･････アンタみたいな奴はな」
9はそう呟くと、ベッドに寝転がって目を閉じた。
──やっと、やっと出られる･･････。
短期間でも組織の手から離れられたのなら、普通の人間なら安心するのだろうが、逆に俺は不安で堪らなかった。
──俺は、ルシアンだ。
俺は『ルシアン』だからこそ、組織から必要とされている。
──ジンの所有物、主人の命令で組織の為に生きて死ぬ。
『ルシアン』でない俺は、存在する価値も生きる意味も与えられていない。
──強く、もっと強くならないと。
「･･････9、俺は後悔しないよ」
──俺が役に立つようになれば、ジンの機嫌が良くなって･･････そうしたら、きっとウォッカは嬉しそうな顔してくれる･･････。
「──短い間だったけど、ありがとう」
「礼を言われる程、アンタを構ったつもりはない」
9は俺をじっと眺めた後、一言言い放った。
「──部屋、綺麗に掃除してから出てけよ」
「最後まで太々しい奴だな･･････」
最後まで無愛想な9の様子に、俺は苦笑が溢れた。
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猫饅頭。(プロフ) - 夢子さん» コメントありがとうございます！かっこいいジンニキと言って頂けて嬉しいです｡｡。応援ありがとうございます！！ (2023年5月11日 19時) (
レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
夢子(プロフ) - ジンニキかっこよきでした。更新楽しみにしてます‼︎ (2023年5月10日 23時) (レス) @page6 id: 913dff5ce5 (このIDを非表示/違反報告)
猫饅頭。(プロフ) - 夜鷹紫苑さん» ウォッカは、懐に入った人間には優しくしてくれるという解釈(偏見)です。それ以外の人間には、ジン同様非人道的であって欲しいと個人的には願っています｡｡ (2023年5月9日 22時) (レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
夜鷹紫苑 - え?優しすぎませんすか? (2023年5月7日 0時) (レス) id: ec66583caa (このIDを非表示/違反報告)
猫饅頭。(プロフ) - 夜鷹紫苑さん» コメントありがとうございます！ウォッカのお手製おにぎり、美味しそうですよね...。その人の好みによって具材とか味付けを変えてくれそうです｡｡ (2023年5月6日 21時) (レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫饅頭。 | 作成日時：2023年5月1日 12時
