第7話-�� ページ34
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あれから数日間の訓練状況を見ても、9は相当優秀な少年だった。
──なのにどうして、此処にいるんだ。
この訓練施設は、組織の中でも過酷な場所だといわれるが、その反面劣悪な環境下でも生き抜ける優秀な人材が輩出されているとウォッカから聞いていた。
──本来なら、どこかの組織に引き抜かれていてもおかしくないのに。
初日の訓練で絡んで来た男は、9に対して異常な対抗心を持っていたようだが、あれ以来一切接触してきていない。
──彼らの目的はどうであれ、このまま非干渉だと助かるんだけどな。
俺は早く此処から出て、ウォッカの役に立てるようにならなければならない。
「･･････いただきます」
今日も俺は朝食に出された歯が折れそうな程に硬化したパンのような塊を、無理矢理口の中に押し込んで咀嚼した。
「･･････、っ･･････」
正直に言って不味い、凄く不味くて、今までに食べられるものの中で、最も口の中の水分を持っていかれたと言っても過言ではなかった。
「アンタ、不味そうな顔で食うなよ。ただでさえ不味い飯が不味くなんだろうが」
「･･････無茶言わないでくれ。──それにしても、その小瓶って何が入ってるんだ？」
朝食を受け取る際に、9は廊下に佇む教官へ何かを耳打ちすると小指くらいのサイズの小瓶を手渡されていた。
「──ハチミツ･･････絶対やんねえぞ」
「･･････何も言ってない」
俺が余程物欲しそうな顔をしていたのか、9は琥珀色に輝くハチミツを己の懐に仕舞い込んだ。
──スイーツ、･･････パンケーキ、チョコレート･･････。
こんな場所で、あのような嗜好品を一度口にしたら我慢が効かなくなる。
「早くこんな所から出て行ってやる」
──ああ･･････ウォッカのご飯が恋しい。
それからも順調に訓練は進んでいき、身体及び精神強化訓練、射撃訓練、知能訓練･･････俺は的確にそれらをこなした。
「──元の能力値が高かったようだな、23 ･･････。この短期間で地獄を抜け出せるとは、予想していなかったが･･････流石はあの野郎の飼い犬ってところか」
長官が太い葉巻を吸いながら、ルイスから受け取った資料を眺めていた。
「──残すは最終試験、それさえ通ればちゃんと飼い主の元に返品してやる」
俺に与えられた最終試験は、──標的を完全に戦闘不能にすることだった。
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猫饅頭。(プロフ) - 夢子さん» コメントありがとうございます！かっこいいジンニキと言って頂けて嬉しいです｡｡。応援ありがとうございます！！ (2023年5月11日 19時) (
レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
夢子(プロフ) - ジンニキかっこよきでした。更新楽しみにしてます‼︎ (2023年5月10日 23時) (レス) @page6 id: 913dff5ce5 (このIDを非表示/違反報告)
猫饅頭。(プロフ) - 夜鷹紫苑さん» ウォッカは、懐に入った人間には優しくしてくれるという解釈(偏見)です。それ以外の人間には、ジン同様非人道的であって欲しいと個人的には願っています｡｡ (2023年5月9日 22時) (レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
夜鷹紫苑 - え?優しすぎませんすか? (2023年5月7日 0時) (レス) id: ec66583caa (このIDを非表示/違反報告)
猫饅頭。(プロフ) - 夜鷹紫苑さん» コメントありがとうございます！ウォッカのお手製おにぎり、美味しそうですよね...。その人の好みによって具材とか味付けを変えてくれそうです｡｡ (2023年5月6日 21時) (レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫饅頭。 | 作成日時：2023年5月1日 12時
