第7話-�� ページ28
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まずは、布切れをいくつか取り出し、それを床に転がっていた棒切れへ、捻りながら巻き付ける様に結び、簡易的な掃除道具を作ってみた。
俺はそれを便器に突っ込むと、こびり付いた汚れを擦ってみた。すると、ただでさえ黒ずんだ布に、おびただしい程の汚れが付着していた。
「うっ･･････」
今まで一度も掃除されていなかったと言わんばかりの蓄積された醜悪な臭いに、自然と鼻呼吸を止めた。
──酷い臭いだ･･････、こんな状態で放置してるなんてどうかしてる･･････。
俺の自室も汚い方だと思っていたが、此処よりは数百倍マシである。
丁寧に便器を磨いていくと、臭いが少しだけマシになった気がした。
──まあ、こんなもんだよな。
トイレ掃除を済ませた俺は、道具をトイレの流水で洗って壁に立て掛けた。
次は、手洗い場である。泥まみれの手洗い場を小さめの布切れで拭き上げると、元の白いコンクリートが露わになった。
そして、俺が汚れた食器に手を伸ばした時、背後から声を掛けられた。
「･･････アンタ、さっきから何してんの」
「何って･･････掃除」
俺が答えると、9は眉間に皺を寄せた。
「そうじゃない、何で掃除なんかしてるのかって聞いてんだけど」
「･･････いや、此処汚いし。正直、不衛生だと思って」
「はあ？馬鹿じゃねえの？クソ汚ねえって、掃除したら汚れるだろ･･････手とか」
牧場の仕事で、日常的に動物小屋の掃除をしている身からすると、この程度は問題にならない。
「別に素手で直接触ってる訳じゃないし･･････、最悪洗えばいいでしょ」
「俺は絶対にやらないからな」
頑なに異議を申し立てる男を尻目に、俺は構わず食器を洗っていく。
「いいよ、俺が勝手にしてるだけだから」
「･･････」
言っても無駄だと分かったのか、9は再び黙り込んだ。
部屋中の掃除を一通り終えると、俺はベッドに腰を掛けた。
「･･････」
俺が長年使い続けてクッションが平たくなっていたベッドと比べものにならない程薄くて、冷たい金属の固さを直で感じた。
──ウォッカ･･････。
まだ離れて数時間しか経っていないのに、俺はホームシックに陥っていた。
──これから、始まるっていうのに。情けないな･･････。
冷たい板に身を委ねて、俺はそっと瞼を閉じた。
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猫饅頭。(プロフ) - 夢子さん» コメントありがとうございます！かっこいいジンニキと言って頂けて嬉しいです｡｡。応援ありがとうございます！！ (2023年5月11日 19時) (
レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
夢子(プロフ) - ジンニキかっこよきでした。更新楽しみにしてます‼︎ (2023年5月10日 23時) (レス) @page6 id: 913dff5ce5 (このIDを非表示/違反報告)
猫饅頭。(プロフ) - 夜鷹紫苑さん» ウォッカは、懐に入った人間には優しくしてくれるという解釈(偏見)です。それ以外の人間には、ジン同様非人道的であって欲しいと個人的には願っています｡｡ (2023年5月9日 22時) (レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
夜鷹紫苑 - え?優しすぎませんすか? (2023年5月7日 0時) (レス) id: ec66583caa (このIDを非表示/違反報告)
猫饅頭。(プロフ) - 夜鷹紫苑さん» コメントありがとうございます！ウォッカのお手製おにぎり、美味しそうですよね...。その人の好みによって具材とか味付けを変えてくれそうです｡｡ (2023年5月6日 21時) (レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫饅頭。 | 作成日時：2023年5月1日 12時
