第7話-�� ページ27
＊＊
ルイスの後ろを付いて行くと、鉄格子付きの扉がいくつも並んだ通路に出た。鉄格子の隙間から、誰かがこちらを観察しているような視線を感じた。
「23番、お前の部屋は此処だ」
他よりも少し大きな扉の前で止まり、そのまま扉を開けて俺を押し込むと、直ぐに扉を施錠されてしまった。
決して広いとは言えない部屋の中には、ベッドが二つ、便器が剥き出しになった汚いトイレ、泥まみれの小さな手洗い場、乱雑に置かれた衣服、汚れた食器が床に散乱していてそこに虫が集っていた。
そんな部屋の中に少年がベッドに寝転んだまま、こちらをじっと見ていた。
「どうも、初めまして。今日からお世話になります･･････23です」
俺は一先ず、同室者であろう少年に挨拶することにした。
赤い髪の少年は俺の挨拶を聞くなり、冷たい口調で話した。
「俺はアンタの世話をするつもりはない」
「･･････、ただの挨拶だよ。君に敵意がない事だけ伝えようと思っただけさ」
「あっそ･･････」
少年は興味のなさそうな顔で俺の顔を一瞥し、鼻で笑った。
「アンタが何でこんなクソ溜めに来たのか知らねえが、くれぐれもこの部屋ん中でくたばるのだけは勘弁してくれよ」
「はあ･･････、くたばる予定は今のところないよ。──それで君の番号は？」
「･･････」
「少なくとも同室なんだ。最低限、お互いの呼び方が分からないと不便だと思うけど？」
俺がそういうと、少年はぶっきらぼうに呟いた。
「･･････
「オーケイ、喜んで」
俺は小さなベッドに腰を下ろした。座った瞬間に、錆だらけのベッドが激しく軋んだ。
──劣化してんなぁ、このベッド･･････。
シーツも黄ばみを帯びていて、所々黒ずんだシミが付いている。極め付けに、埃っぽくてカビ臭い。
このままここで生活したら、肺が腐りそうだ。
「──なあ、9･･････掃除道具とかないの？」
隣にいる9に声を掛けるが、完全に無視を決め込んでいる様だった。
「･･････」
俺は仕方なく、勝手に部屋の隅に置かれたロッカーを開けてみた。そこには、汚い雑巾の様な布切れが詰め込まれていた。
「これでいいか･･････」
短期間でクリアする予定であるとはいえ、多少は清潔にしておいた方がいいだろう。
＊＊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 153人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「名探偵コナン」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
猫饅頭。(プロフ) - 夢子さん» コメントありがとうございます！かっこいいジンニキと言って頂けて嬉しいです｡｡。応援ありがとうございます！！ (2023年5月11日 19時) (
レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
夢子(プロフ) - ジンニキかっこよきでした。更新楽しみにしてます‼︎ (2023年5月10日 23時) (レス) @page6 id: 913dff5ce5 (このIDを非表示/違反報告)
猫饅頭。(プロフ) - 夜鷹紫苑さん» ウォッカは、懐に入った人間には優しくしてくれるという解釈(偏見)です。それ以外の人間には、ジン同様非人道的であって欲しいと個人的には願っています｡｡ (2023年5月9日 22時) (レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
夜鷹紫苑 - え?優しすぎませんすか? (2023年5月7日 0時) (レス) id: ec66583caa (このIDを非表示/違反報告)
猫饅頭。(プロフ) - 夜鷹紫苑さん» コメントありがとうございます！ウォッカのお手製おにぎり、美味しそうですよね...。その人の好みによって具材とか味付けを変えてくれそうです｡｡ (2023年5月6日 21時) (レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：猫饅頭。 | 作成日時：2023年5月1日 12時
