第6話-�� ページ20
＊＊
「ルシアン･･････着いたぞ、降りろ」
そういって、ウォッカに腕を引かれて俺は車から降りた。
「──ウォッカ、ソイツを外して構わねえ」
「へい、兄貴･･････」
ウォッカが俺の目隠しの布を外してくれた。
「──っ！！」
目を開けると、そこは一切人気の感じられない海岸だった。
「･･････船？」
ただ、一隻の黒い船が人目を忍ぶ様に停泊している。俺が立ち尽くしていると、ウォッカが話し掛けてきた。
「──潜水艦だよ、お前も前に乗ったことがあるだろ」
「え、いつ･･････？」
「お前がまだ小せえ時だよ。元々、イギリスに居たお前をこっちに連れて来たんだよ」
「へえ、初耳･･････」
俺は昔の記憶が曖昧で、両親のことはもちろん、住んでいた場所もまるで何も覚えていないのだ。
──俺、もしかしてイギリス生まれだったのか？
「入り口はこっちだ、来い」
ジンに促され俺は潜水艦に乗り込んでいく。それにウォッカとジンも後に続く。
長い入り口の階段を下りると、細い通路に着いた。
「ここが潜水艦の中･･････」
細い通路にも部屋がいくつかある様で、俺はその部屋の一つに入れられた。
「この時間に、これを確認しておけ」
そういってジンに見せられたのは、パソコンの画面に映し出された何十行にもわたる文字列。
──プログラム言語か･･････。
「この潜水艦で使用しているセキュリティの一部だ。最近、ヨーロッパ諸国の防犯システムが強化されてきてやがるみてえでな･･････。向こうに着くまでに、弱体化している部分がねえか確認しておけ」
「オーケイ、出来ることは限られるけど･･････なんとかやってみるよ」
「──ウォッカ･･････、奴が下手な真似をしねえように見張っておけ」
「了解しやした！」
ジンは、俺とウォッカを部屋に残して姿を消した。
俺はパソコンの画面に向き合う。一通り目を通すと、一部のプログラムを実行し不具合が出ていないか確認していく。すると、数か所僅かにシステムに穴が開きかけているのを発見した。
「ウォッカ･･････ここ、少し強化した方がいいと思うんだけど修正しても大丈夫かな？」
「──ん？ああ、一応バックアップは取ってあるからな。お前が必要だと思うところを修正してみろ」
ウォッカの許可を得た俺は、速やかにキーボードを叩き始めた。
＊＊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 154人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「名探偵コナン」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
猫饅頭。(プロフ) - 夢子さん» コメントありがとうございます！かっこいいジンニキと言って頂けて嬉しいです｡｡。応援ありがとうございます！！ (2023年5月11日 19時) (
レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
夢子(プロフ) - ジンニキかっこよきでした。更新楽しみにしてます‼︎ (2023年5月10日 23時) (レス) @page6 id: 913dff5ce5 (このIDを非表示/違反報告)
猫饅頭。(プロフ) - 夜鷹紫苑さん» ウォッカは、懐に入った人間には優しくしてくれるという解釈(偏見)です。それ以外の人間には、ジン同様非人道的であって欲しいと個人的には願っています｡｡ (2023年5月9日 22時) (レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
夜鷹紫苑 - え?優しすぎませんすか? (2023年5月7日 0時) (レス) id: ec66583caa (このIDを非表示/違反報告)
猫饅頭。(プロフ) - 夜鷹紫苑さん» コメントありがとうございます！ウォッカのお手製おにぎり、美味しそうですよね...。その人の好みによって具材とか味付けを変えてくれそうです｡｡ (2023年5月6日 21時) (レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：猫饅頭。 | 作成日時：2023年5月1日 12時
