第6話-�� ページ17
＊＊
──朝の目覚めは、最悪だった。
ふと目が覚めた俺は、瞼を擦りながら軽く背伸びをする。
「んっ･･････っ」
身体を起こした俺は、寝袋を片付けようとした･･････次の瞬間の出来事だ。
「──ッ！？？」
勢いよく開け放たれた扉の派手な音と、その後に聞こえてきた唸る様な声で、俺は肩が飛び跳ねた。
「──起きろッ！！」
起き上がっている俺の姿を見て、ジンは眉間に皺寄せたまま文句を言った。
「ああ？･･････何だ、起きているなら直ぐに返事をしやがれ」
「･･････おはよう、ジン」
返事も何も、声掛けすらなかった･･････と、そんな事はジンには通じるはずがない。
「もしかして、もう出発する？」
俺は手早く寝袋を片付けると、ジンが何かを俺に向かって放り投げた。
「パン･･････？」
昨日とは違い、スティック状のパンが詰め込まれている。
「朝飯だ･･････」
チョコチップの付いたスティックパンが、6本程入っている。
──あ･･････これ、好きなやつだ。
よく小腹が空いた時に、ウォッカが出してくれる大手メーカーの商品だ。･･････この大きさが丁度良い。
ジンはお茶の入ったペットボトルと、タオルを床に置くと、また部屋を出ていった。
まず俺は昨日の飲み切れなかった水を、タオルに染み込ませて顔を拭いた。
それが終わると、朝食を取ることにした。
「いただきます」
俺は軽く手を合わせると、パンを口にした。若干チープ感はあるが、何とも言い表し難い癖になる味である。
──このチョコチップが堪らない･･････。
黙々と口に運び、袋に入っていたパンが胃の中へと消えていった。
「ご馳走様でした」
大好物のチョコを摂取出来て、最悪だった気分が少しだけ晴れた気がした。
俺は軽く柔軟運動を行い、身体を動かし終えると、再び大人しく椅子に腰を掛けた。
「･･････」
何もすることのなくなった俺の脳内では、今回のイギリス行きの理由について思考を巡らせていた。
──ウォッカは一緒に来るのかな･･････。
このまま、ジンと二人きりでイギリスに行くのだろうか･･････。
──もしかして、海外に売り飛ばされるとか･･････。
･･････ありそうで怖い。
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猫饅頭。(プロフ) - 夢子さん» コメントありがとうございます！かっこいいジンニキと言って頂けて嬉しいです｡｡。応援ありがとうございます！！ (2023年5月11日 19時) (
レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
夢子(プロフ) - ジンニキかっこよきでした。更新楽しみにしてます‼︎ (2023年5月10日 23時) (レス) @page6 id: 913dff5ce5 (このIDを非表示/違反報告)
猫饅頭。(プロフ) - 夜鷹紫苑さん» ウォッカは、懐に入った人間には優しくしてくれるという解釈(偏見)です。それ以外の人間には、ジン同様非人道的であって欲しいと個人的には願っています｡｡ (2023年5月9日 22時) (レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
夜鷹紫苑 - え?優しすぎませんすか? (2023年5月7日 0時) (レス) id: ec66583caa (このIDを非表示/違反報告)
猫饅頭。(プロフ) - 夜鷹紫苑さん» コメントありがとうございます！ウォッカのお手製おにぎり、美味しそうですよね...。その人の好みによって具材とか味付けを変えてくれそうです｡｡ (2023年5月6日 21時) (レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫饅頭。 | 作成日時：2023年5月1日 12時
