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第13話-怪しい子供 ページ15

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 前よりもこぢんまりとしたホテルに移動した俺は、非常階段に近い部屋を取ると、机に座りパソコンを起動する。


 そして、先程まで見ていた記事を再び眺める。


──《高校生探偵の工藤新一。彼は数々の難事件を解決に導いてきた、将来有望な少年と称されている。──しかし、そんな彼だが・・・・・・最近ではその推理を聞くことは叶っていない。最後に彼の活躍が見られたのは、『トロピカルランド殺人事件』であり──・・・・・・》



「・・・・・・」


 世間を騒がせていた工藤新一が姿を見せなくなり、程なくしてある子供の活躍が頻繁に取り上げられ始めていた。


 ・・・・・・そう、江戸川コナンである。


 以前日本で起きたタワー爆発騒動で、奴が水銀の爆弾を処理したと報道がされていたようだった。


「しかも死者は0・・・・・・ね」


 何年にも渡って捕まえる事ができなかった連続爆弾魔の男・・・・・・数々の警察官が被害に合ったと言われるこの凶悪事件を、未然に防いだというのだ。


──本当にこの子供、何者なんだ・・・・・・。


 調べる度に、奴が普通の子供ではないという事実だけが明らかになっていた。


 工藤新一と江戸川コナンの共通点を大まかにいうならば、年齢を除いた容姿、頭脳、判断力、正義感、そして自己への圧倒的な自信である。



 それに加えて、昨夜の映像からもあの警察官らとの関係性の深さを感じさせるやりとりからすると、工藤新一と同様に彼らの信頼を得ているのだろう。

 

──それに・・・・・・あの警官達が向かうのは、パシフィックブイだ。



 警視庁捜査一課の黒田に目暮・佐藤、私立探偵の毛利、そんな人物が向かうとすれば、そこしかない。


「くそっ・・・・・・」


 俺は今すぐにでも、相棒の手助けをしに向かいたい気持ちに襲われる。


 あの優秀な相棒ならば、何の問題もないはず・・・・・・けれど、俺の不安を掻き消される事はない。


「──今まで、こんな事なかったのに・・・・・・!」


 まるで、死神が相棒を連れて行こうとしている・・・・・・そんな嫌な想像が頭から離れない。




「・・・・・・」





 俺は念の為に持ってきた潜水道具を見つめる。











──万が一、何かが起きた時は・・・・・・。




 俺が絶対に・・・・・・・・・・・・。





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作者名:猫饅頭。 | 作成日時:2023年4月29日 2時

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