第12話-チェックアウト ページ14
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騒動の後、ホテル内では二人の警察官がロビーで、子供とその保護者に事情聴取を行っていた。
会話の内容は聞き取れなかったが、おおよそウォッカと相棒の事を話していたみたいだが、足取りは掴めていないようだった。
俺はパソコンのモニターに映る子供を観察する。
一見、ただの子供にしか見えないが、先程の相棒達に対峙していた姿を思い出すと、明らかに普通ではなかった。
「──少年探偵団・・・・・・江戸川コナン」
ありとあらゆるインターネットツールを使い、子供の名前を特定し、彼のこれまでの行動を整理していく。
江戸川コナン・・・・・・その名の子供は、事あるごとに事件に遭遇しているようで、調べていく内に頭の中で何かが引っかかる感覚が付き纏った。
「──くそっ、何なんだ!!この感覚は・・・・・・」
いっその事あの子供ごとを消してしまえば、この嫌な感覚はなくなるのだろうか。
俺は拳銃を握り締めるが、理性でその衝動を抑え込んだ。
──殺して、その後はどうするんだ・・・・・・。下手にコイツを殺したら、相棒の足を引っ張る事になるじゃねえか。
その時、スマホが鳴った。
「──っ!!」
俺はすぐに届いたメッセージを確認した。
p:《この女と、コイツについて知ってる事を教えろ》
送られて来たのは、モニターに映る二人の写真。空手の関東大会優勝者である毛利蘭、そして──江戸川コナンである。
「・・・・・・」
俺は相棒に調べた資料をまとめて送信する。
p:《それと、》
「──っ!?」
ピンガから送られてきた写真を見た瞬間、鳥肌が立っていた。
──似て、いる・・・・・・、いや・・・・・・似過ぎている。
「──工藤新一、そして・・・・・・江戸川コナン」
あり得ない考えが頭に浮かんでくる。
──老若認証システム・・・・・・、工藤新一、江戸川コナン・・・・・・。
相棒がこのタイミングで、工藤新一の写真を送ってきた理由・・・・・・俺は無関係とは思えなかった。
俺は翌日、予定より早くホテルをチェックアウトすることにした。
──警察か・・・・・・面倒だな。
入り口には警察官が数名、それに加え、江戸川コナンと、その他の同行者がロビーに集まっていた。
奴らの姿が見えなくなるまで、俺は一度部屋に戻り、・・・・・・そして別のホテルへと向かった。
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作者名:猫饅頭。 | 作成日時:2023年4月29日 2時