検索窓
今日:31 hit、昨日:14 hit、合計:11,359 hit

第11話-真夜中の騒動 ページ13

**



──23:30。



 先刻まで賑やかだったホテル内が、暗闇に包まれ静寂が訪れた。



 そんな静かなこのホテルの駐車場に、一台の車が停まった。



 俺はカーテンの隙間から、車から降りてくる二人の男の姿を確認する。



「・・・・・・いらっしゃい、鍵は開いてるぜ?」



 予め施錠されていた扉の内鍵を開け、裏口から侵入できる様にしておいた。


 俺は青白く光るパソコンに向かうと、防犯カメラを確認する。


──ちょろいセキュリティだな。



 案の定、カメラの映像に彼らの姿は映り込んでいない。



 その数十秒後、窓から駐車場に少女を抱えたピンガと、ウォッカ、そして向かい側の建物からスコープを覗くキャンティの姿が見えた。



──今回は、出番がなさそうで残念だなぁ。



 次の瞬間、近くで誰かが声を上げるのを耳にした。



「──っ!?」


 そして、次の瞬間──金属に何かが叩き付けられた様な衝撃音が響き渡った。



『何ッ!?』


 相棒の驚く声と、何処かで聞いたことのある女の声が外から聞こえてきた。



 俺は反射的に隠し持っていた拳銃を手に持ち、敵に発砲しようと窓を開けようとした瞬間、銃声が鳴った。


「・・・・・・っ!」


 俺は開けようとしていた手を止め、拳銃を下ろした。


『────・・・・・・』


 相棒はその隙に車へ乗り込むと、そのまま暗闇に向かって走り出した。


──行ったか・・・・・・。


 安堵で胸を撫で下ろした時、再び緊張が襲ってきた。



『今だ、蘭!!走れっ!!』


 
 誰かの叫び声と何かの金属を弾く様な音が響いたのだ。



──あの女・・・・・・まだ生きてたのかッ!?


 このホテルへ向かって走り出したのは、先程狙撃された相棒を襲った女だった。



「──っ、一体・・・・・・何者なんだ彼奴ら・・・・・・」



 そして、聞こえた小さな子供のような声・・・・・・。




 そんな最中、黄色いビートルが動き出すと、それに小さな子供が乗り込んでいた。



「──っ・・・・・・!!」



──待て、そういえば・・・・・・、あの子供何処かでっ・・・・・・。


 俺は前に見た事がある様なその顔に、思い出せない不安感を覚え、俺の心臓は煩くなっていく。



──このままじゃ駄目だ。・・・・・・俺が、相棒を守らねえと・・・・・・。



 あの子供は危険だ、そう俺の本能が警告していた。





**

第12話-チェックアウト→←第10話-急な任務



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (28 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
78人がお気に入り
設定タグ:コナン , ピンガ , 男主
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:猫饅頭。 | 作成日時:2023年4月29日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。