第11話-真夜中の騒動 ページ13
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──23:30。
先刻まで賑やかだったホテル内が、暗闇に包まれ静寂が訪れた。
そんな静かなこのホテルの駐車場に、一台の車が停まった。
俺はカーテンの隙間から、車から降りてくる二人の男の姿を確認する。
「・・・・・・いらっしゃい、鍵は開いてるぜ?」
予め施錠されていた扉の内鍵を開け、裏口から侵入できる様にしておいた。
俺は青白く光るパソコンに向かうと、防犯カメラを確認する。
──ちょろいセキュリティだな。
案の定、カメラの映像に彼らの姿は映り込んでいない。
その数十秒後、窓から駐車場に少女を抱えたピンガと、ウォッカ、そして向かい側の建物からスコープを覗くキャンティの姿が見えた。
──今回は、出番がなさそうで残念だなぁ。
次の瞬間、近くで誰かが声を上げるのを耳にした。
「──っ!?」
そして、次の瞬間──金属に何かが叩き付けられた様な衝撃音が響き渡った。
『何ッ!?』
相棒の驚く声と、何処かで聞いたことのある女の声が外から聞こえてきた。
俺は反射的に隠し持っていた拳銃を手に持ち、敵に発砲しようと窓を開けようとした瞬間、銃声が鳴った。
「・・・・・・っ!」
俺は開けようとしていた手を止め、拳銃を下ろした。
『────・・・・・・』
相棒はその隙に車へ乗り込むと、そのまま暗闇に向かって走り出した。
──行ったか・・・・・・。
安堵で胸を撫で下ろした時、再び緊張が襲ってきた。
『今だ、蘭!!走れっ!!』
誰かの叫び声と何かの金属を弾く様な音が響いたのだ。
──あの女・・・・・・まだ生きてたのかッ!?
このホテルへ向かって走り出したのは、先程狙撃された相棒を襲った女だった。
「──っ、一体・・・・・・何者なんだ彼奴ら・・・・・・」
そして、聞こえた小さな子供のような声・・・・・・。
そんな最中、黄色いビートルが動き出すと、それに小さな子供が乗り込んでいた。
「──っ・・・・・・!!」
──待て、そういえば・・・・・・、あの子供何処かでっ・・・・・・。
俺は前に見た事がある様なその顔に、思い出せない不安感を覚え、俺の心臓は煩くなっていく。
──このままじゃ駄目だ。・・・・・・俺が、相棒を守らねえと・・・・・・。
あの子供は危険だ、そう俺の本能が警告していた。
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作者名:猫饅頭。 | 作成日時:2023年4月29日 2時