第10話-急な任務 ページ12
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ピンガから連絡が来たのは、その日の昼頃だった。
p：《作戦Ａは成功した。》
《りょーかい》
《こっちの方も特に問題なし、ホテル内の防犯カメラもハッキングし終えてるよ》
p：《羽目外すんじゃねえぞ。》
《りょーかい》
《さっきホテルのサウナに行って来たくらいだし》
p：《満喫してんじゃねーか。》
《ずっと引き籠ってると逆に怪しまれるからね〜》
《観光客の真似ってやつ？》
p：《まあいい、》
p：《異変があったら連絡しろ。》
《りょーかい》
そのメッセージを受け取った後、俺は部屋のベッドに腰を掛けてネットサーフィンにふけていた。
すると、再びスマホが振動する。──相棒からだ。
p：《急用だ。》
《どした？》
p：《お前が泊まってるホテルに、このガキ居るだろ？》
ピンガから、茶髪の少女の写真が送られてきた。
《ああ、今朝ロビーで見かけたよ》
p：《なら話は早い、》
p：《ソイツの部屋番号教えろ》
《部屋番号？おっけー、カメラ確認する》
俺はノートパソコンを開くと、ホテル内の監視カメラ映像の録画を確認する。
《△△△号室だね。部屋は、小学生位の女の子二人だけ》
p：《分かった。》
p：《あと、》
p：《俺にも監視カメラのデータ送れ》
《りょーかい》
《ついでに、監視カメラの死角見取り図も送っとく》
俺がデータファイルを添付すると、すぐに返信がきた。
p：《受け取った、》
p：《また連絡する。》
──ツイてるな、俺。
俺の暇つぶしが役に立ちそうで良かった。
パソコンを眺めながら、自然と俺の口元に笑みが浮かぶ。
──これが上手くいけば、組織もピンガの能力を更に評価するはずだ･･････。
我が道を突き進み続ける相棒を、俺は側で支えていく。
「──ふっ･･････」
そう考えるだけで、冷え切っている俺の心に熱いモノが湧き出てくる気がした。
──ああ、いいな･･････最高じゃん。
俺は鼻歌を歌いながら、この後起こる騒動を心待ちにしていた。
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作者名：猫饅頭。 | 作成日時：2023年4月29日 2時
