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第9話-作戦の開始 ページ11

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──作戦当日_AM6:30。



 俺は今回の舞台である『八丈島(はちじょうじま)』にやって来ていた。



「自然が美しいね・・・・・・」



 青い蝶の刺繍が入った黒いカッターシャツに、サングラスを掛けた姿で、俺はホテルの部屋のベランダに立って景色を眺めていた。



 ここは都心にある様な人工的な建物が少ない。




「空気うま・・・・・・余生はこういう場所で暮らすのもいいよな〜」



──でも、買い物するには超絶不便だ。




 運動嫌いな俺にとっては、向かないかもしれない。






 俺は近くにある椅子に腰を掛けると、スマホをチェックする。




──何も連絡なし。



 相方からまだ連絡は入っていなかった。・・・・・・当然だ、まだ何も起きてないのだから。





 ネットニュースを眺めながら、朝食の時間になるまで時間を潰した。




 



 朝食を摂り終えて部屋に戻ると、丁度ネットニュースで『パシフィックブイ』についての話題が取り上げられていた。


 そこには、今回組織の標的である──『直美アルジェント』の姿があった。



 彼女は画期的な『老若認証システム』の可能性について、熱心に説明をしている。



 そんな平和のために生み出されたシステムが、悪人に利用されるとも露知らず・・・・・・。



──有能なお嬢さん、でも・・・・・・それだけじゃ悪い大人に利用されちまうだけだぜ?



 そして、今日という日が彼女の運が尽きる時だ。



──まあ、素直に仲間になってくれたら別だけど。



 平和の為に『老若認証システム』を作ったなどと言う正義感の強そうな彼女に限って、そんな事は絶対にないだろうが・・・・・・。



 俺は自販機で買ってきた紙コップに入ったコーヒーを一口飲む。もちろんミルク入りの無糖コーヒーだ。







「はあ、早く相棒に会いたいぜ・・・・・・」





 ピンガのいない日常は、退屈過ぎて欠伸(あくび)が出そうだ。




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作者名:猫饅頭。 | 作成日時:2023年4月29日 2時

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