プロローグ ページ2
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とある高層ビルの一部屋に、俺達はいた。
「今回は側でサポート出来なくて、悪いな・・・・・・」
「━━はあ?別に何の問題ねえ、普段通りにやりゃ良いだけだろ」
俺にとって唯一無二の相棒が、大掛かりな任務に駆り出される事になった。
相棒は組織から『ピンガ』というコードネームを与えられ、能力を買われた。そんな相棒に比べ、俺は組織でもただの末端工作員・・・・・・こういう時は、自身の野心の無さに後悔する。
俺もコードネーム持ちだったのなら、今回もサポート出来たかもしれないのだから。
「・・・・・・お前も俺には及ばねえが、なかなか有能な相棒なんだぜ。A・・・・・・もっと、のし上がる意思を持てよな」
「━━そうだな、じゃあ・・・・・・お前の野心を少し分けてくれよ」
差し出した俺の手を、相棒が払いのけた。
「ハッ、相変わらずだな。そんな怠けた態度じゃ、下剋上なんて起こせねーぞバァーカ!」
「ひでぇ・・・・・・玉肌のような俺の手を、、傷付くぜ」
俺が傷付いた振りをすると、ピンガは引き気味にツッコミを入れた。
「自分で言うかよ、きっしょッいわ!・・・・・・その自意識過剰さはやべえ」
「ありがとう」
「褒めてねえよ」
ピンガは冗談を言う俺の肩を軽く叩くと、再び任務の準備に取り掛かった。
「なあ、コレお前にやるよ」
俺はポケットにいれていた、ソレをピンガに差し出した。
「何だコレ・・・・・・スカーフ?」
何処かのデパートで買った、シルク生地のスカーフだ。本当は自分で使う予定だったが、女性モノだし、今回の任務に適している贈り物だと思う。
「まあ、お守りってヤツ?」
「フーン、まあモノは良いな。━━仕方ねえから、貰ってやるよ」
ピンガは水色のスカーフを受け取ると、そのまま懐にしまった。
どうやら、俺の贈り物を気に入ってくれた様だ。
「・・・・・・俺だと思って、大事にしてくれよ」
「きィっっっっしょッォッ!!」
やっぱりピンガは、最高の相棒だ。
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作者名:猫饅頭。 | 作成日時:2023年4月29日 2時