第4話-Side:ジン ページ48
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今日もまたネズミを駆除し、組織内の秩序が正された。
━━足抜けなんざ、最初からさせる気は毛頭ねえ。
有能な妹を組織から抜けさせるために、銀行強盗で十億もの大金を盗み出すのに成功したが、それらは全ては無駄な事だった。
━━哀れな偽善者野郎だ･･････。
「兄貴、此処ですぜ･･････」
俺の前を歩くウォッカが、目当てのロッカーの前で待機していた。
「ああ･･････」
あの女が息絶えるまで隠していた、コインロッカーの鍵を差し込んだ。
鍵の開く音が聞こえ、扉を開いた。
「･･････っ！？」
ウォッカは一切何も入っていない空のロッカーをみて、声を上げた。
「･･････な、何も入ってねえぞ！！あの女ッ、騙しやがったのか！！」
ウォッカは、苛立ちでロッカーを足で蹴り付けた。
「ま、まさかッ、最初から盗んでなかったんじゃッ･･････」
「━━それはねえ･･････。恐らくコイツは、ダミーだ」
━━死んでも渡す気がねえってことか･･････。
「つくづく目障りなネズミだぜ･･････」
「兄貴、もう一度戻って探しやすか？」
「━━いや、戻らねえ･･････。あの女は強盗容疑で追われている身だ･･････戻るにはリスクが高過ぎる。━━まあ、元々受け取る予定の無かった金だ･･････地獄行きの餞別にでもくれてやるさ」
「あ、兄貴･･････」
ウォッカを置いて、車に乗り込む。ミラー越しに、奴と目が合った。
「･･････あった？目的のモノ」
「いや、此処には無かった。とんだ無駄足だったぜ･･････」
「そっか･･････」
一瞬安堵するかの様な表情をしたのを、俺は見逃さなかった。
「━━テメエ･･････、何を考えてやがる」
「え･･････ゥぁぐ、･･････ッ！」
俺は右手で奴の肋骨を思い切り押さえ付けた。その不意打ちに苦痛で顔を歪める。
「･･････っ、ぐッ、ぅ」
一切無抵抗なその態度にも、無性に腹が立った。
「言え･･････」
額に汗を浮かべながら、奴は恐る恐る口を開いた。
「ほっとしたからっ、･･････俺、今回は仕事ちゃんと出来てたから･･････」
縋り付く様な眼差しで、俺に許しを乞う。
「き、気に触った、なら･･････ごめんなさい･･････」
━━うぜえ･･････。
俺は例えようのない、苛立ちを感じていた。
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猫饅頭。(プロフ) - もの太郎さん» コメントありがとうございます！嬉しいお言葉光栄ですっ...！！これからも、少しずつではありますが、更新していこうと思います。暖かく見守って頂けると幸いです。 (2023年4月6日 19時) (
レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
もの太郎 - 超好き！！！！更新頑張って下さい！応援してます！ (2023年4月6日 19時) (レス) @page17 id: 415bc119d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫饅頭。 | 作成日時：2023年3月1日 3時
