第3話-Side:ウォッカ ページ37
※暴力表現あり。
＊＊
「臭ッえな･･････！」
エレベーターに乗り込むと、胸焼けする様な甘い匂いが充満していた。その匂いに俺は思わず、鼻を摘む。
「あまり吸い込まない方がいいわよ。多分催眠作用のあるガスだと思うから」
「ほ、本当ですかい･･････」
ベルモットの言葉を聞いてポケットに入れていた手拭いで、口と鼻を軽く押さえた。そしてそれと同時に、一抹の不安に駆られた。
━━あいつ･･･ヘマしてないといいが･･･。
最上階へ着いたエレベーターの扉が開く。俺は開ボタンを押し、兄貴とベルモットに続いて降りた。
エレベーターの扉が閉まり切る前に、乾いた銃声が2発鳴り響いた。
「なッ、なんですかい⁈」
兄貴の拳銃から硝煙が上がっている。その側には両肩を撃ち抜かれた
「━━ッァあ゛あ゛ああガあゲあッァ！！！！」
そして、悲鳴を上げる男が手放したモノを見て肝が冷える。
「･･････ッ！？━━ルシアンッ！！」
俺は血塗れになったルシアンに駆け寄ると、肩を強く揺さ振った。しかし、反応は返ってこない。
「オイ･･･！！し、死んじまいやがったのかよッ･･････！！」
「ウォッカ、落ち着きなさいよ。ただの気絶よ、キ・ゼ・ツ･･･勝手に殺しちゃ可哀想じゃない」
ベルモットはルシアンの状態を調べると、一時的な中毒症状が出ているだけだと説明していた。
「やわな野郎だぜ･･････、まんまと標的にしてやられやがって」
兄貴はそう言うと、床をのたうち回っている標的の男を蹴り付けた。
「テ゛メエ゛エエエッらァッ！！！！ッざげんなよォお゛お゛！！！！ゴロスッ！！ぶっ殺じてヤ゛ルァッ！！！」
「この世に腕も上げられねえ奴に、殺されてくれる相手なんざ居ねえさ」
「ェむがッ━━！？」
「あの世で探すんだな･･･」
男の口内に銃口を捩じ込んだ兄貴は、そのまま引き金を引いた。
「━━━━━━━」
廊下の床が鮮血で赤く染まる。男は悲痛な顔を浮かべたまま、息絶えていた。
「高級絨毯が台無し･･････、この男の死に場所にしては贅沢過ぎるわね。━━あった、コレね･･･」
ベルモットは男の胸ポケットから、キーホルダー付きの鍵を取り外した。
「あれ･･･兄貴は？」
周囲を見回すと、何故かバケツを持っている兄貴が居た。
「ウォッカ、コイツに水を入れて来い」
＊＊
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猫饅頭。(プロフ) - もの太郎さん» コメントありがとうございます！嬉しいお言葉光栄ですっ...！！これからも、少しずつではありますが、更新していこうと思います。暖かく見守って頂けると幸いです。 (2023年4月6日 19時) (
レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
もの太郎 - 超好き！！！！更新頑張って下さい！応援してます！ (2023年4月6日 19時) (レス) @page17 id: 415bc119d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫饅頭。 | 作成日時：2023年3月1日 3時
