第3話-Side:ジン ページ36
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「遅え･･････」
ルシアンが手下の男達に連れて行かれてから、30分以上経とうとしていた。
━━あの野郎･･････しくじりやがったか？
湧き出てくる苛立ちを抑えられず、煙草を灰皿に擦り付けていると、ベルモットがワイングラスを片手に近付いてきた。
「さっきは許してくれてありがとう･･････ジン」
「フン･･････。テメエのお陰で、折角の芝居を邪魔されて興ざめしたぜ･･････ベルモット」
「あら、逆に感謝して欲しいものだけど。貴方ってば、あのままだと、男の顔面を潰す勢いだったでしょう？」
「さあな･･････まあ仮に潰したとしても何の支障もないがな」
「面倒事が増えるのは勘弁して頂戴。綺麗なドレスを醜い男の血で汚すなんて最悪じゃない･･････」
ベルモットはドレスの裾を軽く持ち上げると、赤黒い血飛沫が付着しているヒールが見えた。
「･･･それで、貴方の相方の姿が見えないようだけど？」
「仕事が遅い野郎だ･･････まだ反応がねえ」
ルシアンには、敵を制圧後にフロアの制御室を操作するという単純な仕事を与えていた。
「あの子に付けていた盗聴器も、貴方が蹴った時に破壊されてしまったし･･････あるのは首輪の発信機だけ」
発信機の示す場所は、このビルの最上階のフロアだった。フロア内を見回っているのか、少しだけセンサーが動いていた。
「そろそろ仕事をしてくれるみたいだし、ワタシ達も始めましょう」
そういうと、ベルモットは出入り口の扉へ向かって行った。その背後を俺とウォッカが距離を空けて歩いていた。
「ここですかい･･･？」
人気のない廊下を進んでいくと、セキュリティ付きのエレベーターが設置されていた。その周辺には、何台もの監視カメラがこちらの様子を捉えていた。
そして、次の瞬間エレベーターが稼働し始めた。
「ルシアンの奴、ちゃんと仕事をしたみたいですぜ。さ、兄貴お乗りください･･････」
ウォッカは開いたエレベーターに乗り込み、開閉ボタンを押した。
「手際が悪過ぎる仕事振りだがな」
「手厳しいわね。まだ未成熟な子供なんだもの･･････もたつく事だってあるわよ」
「ガキだろうが関係ねえさ･･････俺にはな」
━━理由次第では、奴に罰を与える事になるだろうよ。
そして、俺たちは標的の待つ最上階へ向かっていった。
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猫饅頭。(プロフ) - もの太郎さん» コメントありがとうございます！嬉しいお言葉光栄ですっ...！！これからも、少しずつではありますが、更新していこうと思います。暖かく見守って頂けると幸いです。 (2023年4月6日 19時) (
レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
もの太郎 - 超好き！！！！更新頑張って下さい！応援してます！ (2023年4月6日 19時) (レス) @page17 id: 415bc119d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫饅頭。 | 作成日時：2023年3月1日 3時
