第3話-�� ページ34
＊＊
俺は床に落ちていた縄で、霧尾の手首をベッドに縛り付けておいた。
————あとは。
「あの子･･････どうなったかな」
先程まで霧尾から暴行を受けていた同年代くらいの少年･･･。手下の男達に連れて行かれたが、大分深手を負っていた。
俺は扉の前に顔を近づけ、廊下の様子を伺った。
「･･････」
耳を澄ませたが、話し声や足音は聞こえない。
———確認しておくか･･･。
音を立てないように扉を開くと、静かに廊下へ出た。
———またこの匂い。
甘い砂糖菓子を焦がした様な、けれど独特な癖のある香りが充満している。
俺はあまり空気を吸い込まない様に、低姿勢で歩いていく。
入り口付近まで歩いてくると、手前の扉の向こうから話し声が聞こえてきた。
「てか･･･コイツ大丈夫なのか？意識はないし、傷も大分深いぞ」
「医務室に連れていくしかないな。一応止血はしたが、このままだと確実に感染症にかかるだろ」
「ったく･･･霧尾家の愚息がッ、風ノ助サマの御言葉さえなけりゃ･･･っ！！」
先程の手下達の声である。男達は口々に悪態を吐いている。
「まあとりあえず、俺達二人はこの子を医務室に連れて行く。お前は、風ノ助サマに報告を入れて来い。あと、このフロアだと電話は繋がらねえぞ」
「了解･･･、じゃあ俺は屋上にでも行ってくる」
扉に近づいて来た足音を聞いて、俺は咄嗟に側にあった柱の影に隠れた。
男達は数回会話をした後、エレベーターに乗り込んで行った。
俺は居なくなった事を確認すると、一個ずつ部屋を見て行くことにした。
霧尾の居る部屋を含めて全部で五個ある。何か使えそうなモノはないだろうか。
部屋を調べて行くが、趣味の悪い道具が散らばった部屋ばかりで役に立ちそうなモノは見当たらない。
———ここが最後･･･。
最後の部屋に入ると、そこはセキュリティ室だった。大量の監視モニターに、監視カメラの映像が映し出されている。
このフロアを始め、マーケット会場に設置されていたという事だろう。
画面にはジン達の姿が映っていた。三人とも廊下で、俺の仕事を待っていた。
俺は無防備になったセキュリティを解除し、このフロアへ移動できるように操作した。
「俺の仕事はここまでだ･･･」
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猫饅頭。(プロフ) - もの太郎さん» コメントありがとうございます！嬉しいお言葉光栄ですっ...！！これからも、少しずつではありますが、更新していこうと思います。暖かく見守って頂けると幸いです。 (2023年4月6日 19時) (
レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
もの太郎 - 超好き！！！！更新頑張って下さい！応援してます！ (2023年4月6日 19時) (レス) @page17 id: 415bc119d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫饅頭。 | 作成日時：2023年3月1日 3時
