第9話-�� ページ5
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口を開こうとした丸柴より先に、俺は笑顔で応答していた。
「──私が販売所までご案内致します。じゃあ、丸柴君はここを任せるよ」
「はーい！任されたっす」
この場から立ち去れる理由が出来たことに少しの安堵を感じつつ、俺は女性を連れて販売所へと向かっていた。
「本日はお越し頂き、ありがとうございます。私はこの牧場の管理をさせて頂いております、伊草と申します」
「伊草さん、ね。ふふ、まだお若いのに、しっかりされているのね」
「ありがとうございます。私もまだ勉強中の身ではありますが、精一杯させて頂いております。今日はどのような御用でいらしたんですか？」
「見物しに来たんです。以前から、牧場に訪れたくって」
そう笑顔で答える彼女は、あまりにも普通の女性で･･････だからこその異様さを感じた。
「──それで、牧場はお気に召して頂けましたか？」
声を掛けられた時からの違和感は、すでに確信に変わっていた。
「そうね。思っていたよりも管理されていて、Serviceが行き届いているんじゃないかしら。──それに、可愛い従業員さんも働いているようだし」
彼女は長い黒髪を靡かせながら、俺に視線を向けた。
「貴女の様に素敵な女性から褒めて貰えるのは、素直に嬉しいですね」
人気のない通路まで歩いて来た俺は、その名を口にした。
「──ベルモット」
彼女は髪をかき上げ、妖艶な笑みを浮かべた。
「ふふ、いつから気付いていたのかしら？」
「声を掛けられる少し前まで、周囲に気配がなかったから。一般人で、急に気配を感じる人なんてあまり見かけないよ」
俺を含め裏社会の人間は、気配を消すことは日常的にある。
「そう、どうやら檻での生活は楽しめたようね」
「甘党には地獄の生活だったよ」
「不憫ね。横暴な飼い主に振り回されて、弄ばれるなんて」
ベルモットは、俺の口元に指を添えた。
「キスだって、あの時が初めてだったりしたんじゃないの？」
「っ！」
あの時のシーンが、頭に浮かんで顔が一気に上気した。
「ジンも悪い男ね。ウブな坊やの思い出を奪うなんて、鬼畜の所業だわ」
「──忘れてもらえると、ありがたいんだけど」
「あら、やっぱり気にしてたの？」
「･･････人並みには」
「わざわざ掘り返して、ごめんなさいね」
ベルモットは、全く悪びれる様子もなかった。
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猫饅頭。(プロフ) - あやなみさん» あやなみさん、応援コメントありがとうございます！面白いと思って頂けて、凄く嬉しいです。ボード件に関しましては、お気持ちは大変嬉しいのですが、こちらのサイトでは、基本的に作品投稿と進捗報告のみとしております。交流は、X(旧ﾂｲｯﾀｰ)にて行っております。 (3月8日 20時) (
レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
あやなみ(プロフ) - 猫饅頭。さん» ✉️。こんにちは！面白いです、BL大好きなので本当に最高過ぎて尊過ぎました🫶、あの嫌じゃなければボードで一緒に会話しませんか？これからも更新応援してます。 (3月8日 8時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
猫饅頭。(プロフ) - シルフィさん» シルフィさん、コメントありがとうございます！読んで頂けてとても光栄です。不定期更新ではありますが、引き続き更新できるように頑張っていこうと思っておりますので、気長にお待ち頂けますと幸いです。 (2月24日 21時) (レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
シルフィ - 見てます(o´∀`)b更新楽しみにしてます！ (2月24日 11時) (レス) id: 5010c918af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫饅頭。 | 作成日時：2024年2月15日 18時
