第9話-�� ページ2
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イギリスの訓練施設から出てきた俺は、組織が所有する潜水艦に乗って日本へ帰国しようとしていた。
──お腹空いた。
ベッドの上で休憩していると、静かな部屋にお腹の音が鳴り響いた。
「俺が迎えに来る前に、何も食ってなかったのか？」
「食べてないよ。最後の食事は、昨夜食べた乾燥パンくらい･･････いや、ウォッカがくれたチョコだね」
施設でもまともな食事をしていなかったが、その時は耐えられていた。
「やっぱり、美味しい食事って重要だよね。生きる上でさ」
あの場所では、不味過ぎる食事の為、逆に食欲を削がれていたのだ。
──甘いもの一つで、食欲が戻ったな。
「飯はねえが、コレならあるな」
ウォッカの鞄から、チョコレート数個と、見覚えのある小袋に入った飴玉を取り出して俺に渡してくれた。
「あ、ミルクハッカー。持ち歩いてくれてるなんて、嬉しいね」
「ッた、たまたま入ってたんだよ！別にいつも持ち歩いてる訳じゃねえっ」
緩んだ俺の頬を、ウォッカが引っ張った。
「ひはい、ふえはふへひいほひ」
「うるせえッ」
ウォッカには小突かれてしまったが、それも含めて俺は嬉しくて、自然と和やかな気持ちになった。
そんな時、穏やかな空間を消し去るかのように、こちらへ向かってくる靴音が耳入った。
「ッ！」
次の瞬間、ウォッカの顔付きが一気に引き締まり、足音の主の行動に耳を傾けた。
俺達の部屋の前で音が止まり、勢い良く扉が開かれた。
「──此処に居たのか、ウォッカ。手間取らせやがってッ」
ジンは見るからに苛立っていて、今にも拳銃を取り出しそうな緊張感を纏っていた。
「あ、兄貴ッ！どうかしやしたか？」
「──どうかしたどころの話じゃねえッ！シェリー･･････あの女が、牢から逃げ出しやがったッ」
──シェリー、組織の研究所で雇われていた人か。
そして、以前ジンが射殺し、見殺しにした宮野明美の妹。
──逃げ出すなんて、余程肝が据わっているんだな。
姉を殺され、組織に刃向かい、牢から逃げ出すなんて、俺には到底出来ない所業だ。
そんな事を考えていると、ジンが俺の方を向いた。
「･･････おいッ」
「ッ、･･････は、い」
「──ウォッカと今後の話をする。･･････貴様は、失せろ」
「オーケイ、･･････ジン」
ジンに命令された俺は、足早に部屋の外へと出て行った。
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猫饅頭。(プロフ) - あやなみさん» あやなみさん、応援コメントありがとうございます！面白いと思って頂けて、凄く嬉しいです。ボード件に関しましては、お気持ちは大変嬉しいのですが、こちらのサイトでは、基本的に作品投稿と進捗報告のみとしております。交流は、X(旧ﾂｲｯﾀｰ)にて行っております。 (3月8日 20時) (
レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
あやなみ(プロフ) - 猫饅頭。さん» ✉️。こんにちは！面白いです、BL大好きなので本当に最高過ぎて尊過ぎました🫶、あの嫌じゃなければボードで一緒に会話しませんか？これからも更新応援してます。 (3月8日 8時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
猫饅頭。(プロフ) - シルフィさん» シルフィさん、コメントありがとうございます！読んで頂けてとても光栄です。不定期更新ではありますが、引き続き更新できるように頑張っていこうと思っておりますので、気長にお待ち頂けますと幸いです。 (2月24日 21時) (レス) id: 72178cca42 (このIDを非表示/違反報告)
シルフィ - 見てます(o´∀`)b更新楽しみにしてます！ (2月24日 11時) (レス) id: 5010c918af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫饅頭。 | 作成日時：2024年2月15日 18時
