03:初心を忘れるなかれ ページ4
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そう言って頭を下げていると、司書さんの手から本が滑り落ちたようで。
「っ、大丈夫ですか」
「お礼、言ってないの？」
本を拾いに駆け寄れば、低い声音でボソッと呟かれた。顔には黒く影が入り、・・・・どうやらお礼を言わなかった私に相当腹を立ててるみたいで。
えっ、と一瞬たじろいだけど、事実上そうなんだから司書さんの顔色を伺いながら、首を縦に振る。
せっかく私にしては仲良くなれた人なのに‥‥。これで関係がパァなんて何をやらかしてるんだろう、私。
「ご、ごめんなさい‥‥言うタイミング逃しちゃって」
「なんで私に謝ってるの？
ーーーそれに、謝罪の言葉はね、本当に悪いことをしたとき使わないと安っぽくきこえるのよ」
(ーーあれ、怒ってないの‥‥‥？)
怒ってるとばかり思っていたから、予想外の優しい声色に驚きを隠せない。
ポカンと間の抜けた顔で司書さんを見上げれば、いつもの優しい笑みを返されて。
「それにね、ごめんねなんかより感謝の言葉の方が言われて嬉しくなるでしょ？だからその子にちゃんと伝えた方がいいわよ」
遅れてても伝えられればそれでいいの、と司書さんは付け足す。
「あとね、お礼を言いなさいっていうのはAちゃんのためでもあるのよ」
「わ、私のため‥‥？」
「気に触るようなこというけど、Aちゃんってお友達少ないでしょ？」
少ないというかいないんですが‥‥というのは今は飲み込んで、首を上下に振る。
すると、彼女は「やっぱり」と腕組みしうんうんと唸る。その仕草にちょっとグサッときたのは内緒だけど。
「お友達が出来るコツはね、基本的なことなの。無理に話しかけようとか、明るく振る舞おうとか意識しては駄目」
司書さんはブブー、と手をばってんにした。
「まず基本は挨拶なの。当たり前だと思うかもしれないけど、当たり前のことが結局一番大切なことになるのよ」
当たり前のことが、一番大切‥‥
そんなこと考えたことなかったかもしれない。
ふわふわした不思議な感情が渦を巻いて、胸の中を掻き乱す。
ーーー私のことを思ってくれる人がいることがこんなにも嬉しい、なんて。
「斉藤さん、ありがとうございます！」
「あらぁ、いいのよ。頑張ってね」
やってみよう。
勇気の一歩、踏み出してみよう。
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尽(受験生)(プロフ) - 水飴さん» 一気読みお疲れ様でした！私は中々恋愛描写が書けなくて一人で、ん"ッー！！と唸ってました。ジャンルに恋愛と書いてるくせに恋愛要素少なくてごめんなさい‥‥続編は恋愛もどきにならないよう頑張ります。身体のことまでお気遣いありがとうございました！ (2017年9月30日 10時) (
レス) id: 407de71ff7 (このIDを非表示/違反報告)
水飴(プロフ) - 今日全部読ませていただきました！なんかうまく言い表せないんですけ【ン"ッ】て感じです。なんかもう好きです。続編も楽しみにしています！お身体に支障をきたさないよう無理せず頑張って欲しいです´ω`* (2017年9月29日 22時) (レス) id: 36da6c81cc (このIDを非表示/違反報告)
尽(受験生)(プロフ) - パンニハムハサムダさん» 完結お待たせしました！ノープランで好きな時に更新しているので、疲れるなんてことはなく楽しく書かせていただきました笑。夢主ちゃん大好きと言って下さりめちゃくちゃ嬉しいです！続編でも夢主の成長を見てやってください。コメントありがとうございました！ (2017年9月29日 20時) (レス) id: 407de71ff7 (このIDを非表示/違反報告)
パンニハムハサムダ(プロフ) - 1巻完結お疲れ様でした！！スッゴい可愛かったです！！この夢主ちゃんも大好きです！続編も楽しみにしてます！！！こんないい物語をありがとうございます！ (2017年9月29日 18時) (レス) id: 5d54e0b8c2 (このIDを非表示/違反報告)
尽(受験生)(プロフ) - 梶野さん» いつもという事は前から読んで下さってたんでしょうか。1巻完結まで長い間お待たせしました！後半急ピッチで進めたのもあって読みにくい文章となってしまいましたが、それは見なかったことに笑。 コメントありがとうございます！続編にも遊びにきて下さると嬉しいです！ (2017年9月29日 6時) (レス) id: 407de71ff7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：尽 | 作成日時：2017年5月13日 21時
