寒い冬は腕の中 ( 剛典 )

素面 ページ41

臣さんとご飯




そんな連絡が来たのは、はるちゃんとばいばいしてから数分後





今日べろべろで帰ってくるかなあ





めんどくさいなあ





たかのりくん、べろべろになったらやたらくっついてくるから
早めに寝ちゃおっかな





なんて思いながら、お風呂に浸かって、お気に入りの歌をくちずさむ






お風呂から出て、ドライアーで髪を乾かしてると






「A」


『わっ』






いきなり、たかのりくんの声




『ビックリした』


「何回声かけても無視なんだもん。心折れるよ」



『聞こえなかったの』





ドライアーの音を止め、たかのりくんに おかえり と言う





ただいまって、いいながら軽くキスを落とす






『臣さんとご飯って言うから、べろべろになって帰ってくるのかと思ったよ』



「残念。ほとんど素面です」



『そっかそっか、何かあったの？』



「んーん、ちょっと男の決心を」



『ふーん』






いつもべろべろで帰ってくるのに今日はほとんど素面って


臣さんが仕事入ったか、女の人に呼び出されたか

どっちかだと思ったのになあ





男の決心って、何したんだろ





『女になるとか言わないでね』


「言わねーわ」





冗談だよ。そんなマジに捉えないでよ。





「A」


『ん？』


「ちょっと立って」


『え、なになに』

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