選べない【占い師/納棺師】 ページ5
＊
『死ね』。
そう書かれた手紙が送られてくるようになったのは、いつだっけ。
私は怖くて、ただイライとカールに助けを求めるしか出来なかった。
二人は優しいね、絶対に守ってやるって言ってくれた。
私、本当に嬉しかったんだよ？
なのに、どうして？
ある日突然、イライが私を部屋に閉じ込めた。
部屋の中には、イライと私、二人だけ。
イ「嗚呼、A…他の奴に殺されるくらいなら、いっそ、僕が殺してしまおうか…。」
貴「…イライ…待って、やめて…っ。」
厨房から取ってきたであろう包丁を握り締め、イライが私に近付いてくる。
私は逃げた。けれどここは密室、すぐに逃げ場なんてなくなった。
イライが包丁を振り上げた。
嗚呼、死んじゃうのかな、なんて思って私は目を瞑った。
バンッ！！と大きな音がした。
頬に何かが付いたのが分かった。
恐る恐る目を開けると、イライの横腹に包丁が刺さってて。
イライの後ろには、カールが立っていた。
ドアを蹴破って、入ってきたの…？
イ「…何故だ、カール…ｯ！」
カ「…貴方にAは殺させない…。
Aは、僕が殺すんだから…！！」
貴「ｯえ…どういう、事…。」
カ「あの手紙を書いたのが僕だからです。
貴女は、死んでいた方がもっと綺麗だから…。」
あの手紙の犯人はカールだった。
そんな、私が相談した貴方が犯人だったなんて…。
イライとカールが、私に近付いてくる。
どちらも私を殺そうとしてる。
嫌、嫌…やめて。
ねえ、もう嫌よ。やめて、お願い…
貴「やめてｯｯ！！！」
驚いたように私を見る二人。
その胸には、私が隠し持っていたナイフが刺さっていた。
鈍感じゃないから分かる。
二人とも、私の事が好きだって。
ねえ、私も、二人の事大好きだよ。
どっちかなんて選べないくらいに。
でも、まだ死ねない。やりたい事が残ってるの。
だから二人が死んで？
大丈夫、死んじゃっても体の隅々まで愛してあげる。
液体に浸して、ずっとずっと見ててあげる。
ねえ、大好きな人に殺されるのって、どう？
幸せ？幸せだよね、だって笑ってるもんね。
安心して、やりたい事が終わったら、私もすぐそっちに行く。
そしたら三人で、仲良く暮らそうね。
身を委ねる【夢の魔女】→←人間は難しい【黄衣の王】の作者的ストーリー
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 488人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「第五人格」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
精神安定剤(プロフ) - マーリン１３５さん» リクエストありがとうございます！こちらはもう容量いっぱいですので、続編の方で書かせて頂きますね！ (2020年3月5日 0時) (
レス) id: d2e3c7efd5 (このIDを非表示/違反報告)
マーリン１３５ - 文才が溢れている。探鉱者君お願い出来ますか？ (2020年2月25日 18時) (レス) id: da576e023a (このIDを非表示/違反報告)
らる@盃(プロフ) - 精神安定剤さん» ありがとうございます！！ (2020年1月3日 17時) (レス) id: 0f8ed7e297 (このIDを非表示/違反報告)
精神安定剤(プロフ) - 竜胆さん» リクエストありがとうございます！シチュエーション指定ですね、了解しました！！ (2020年1月3日 16時) (レス) id: d2e3c7efd5 (このIDを非表示/違反報告)
精神安定剤(プロフ) - らる@盃さん» リクエストありがとうございます！ハスターですね、了解しました！フレンド！！！全然OKですよ！！！ (2020年1月3日 16時) (レス) id: d2e3c7efd5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：精神安定剤 | 作成日時：2019年2月11日 0時
