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深呼吸してから
戸を叩いた
近づく足音に緊張が高まる
開かないまま懐かしい声が響く
「どちら様でしょうか」
貴「!
お母さん…の声」
「!!」
勢い良く開いた戸から
綺麗な長い白髪の女性が私を包んだ
貴「え…お母さん?え…でも」
「私達も力を戻して頂いたの
姫様に」
貴「じゃあ、本当にお母さん?」
「本当に本当よ」
白く長い髪が綺麗に結われ
着ているものも綺麗に整われていて
頭を務めている人だと一目瞭然だ
こんな綺麗な人が母なのだと
覚えているかぎりの記憶を探しても
見つからない…
仕事をしている母しか知らない
声を聞かなければ別人の様だ
母「貴方は…」
貴「あ、こちら風間千景さん
千景さん、こちらが私の母です」
母「西の鬼を束ねている鬼の頭領ですよね
はじめまして
私は隠れ鬼を束ねる
六瀬(むつせ)の鬼の頭領をしています
娘がお世話になっております」
千景「ああ」
貴「六瀬?」
母「貴女の鬼の苗字よ」
貴「鬼の?」
母「元々は八瀬だったけれど
八瀬の名は姫を継ぐ者の名だから名も変えた
大昔だけれどね
六という字は八が隠れているでしょう?
だから六瀬なのよ」
貴「そうだったんだ」
母「どうぞ上がって」
家に上がると通りすぎる方々皆白髪で
皆が鬼としての力を取り戻したと分かった
母「六瀬の鬼はもう数十名だけよ
仕えていた者達も数名だけ
私が駆けつけた頃には皆ぼろぼろで
姫様が手を差し伸べてくれたの
八瀬の一族は家族だからと
この前までは力も封じたまま
落ち着いたらまた人の中で隠れて生きようと
計画していたけど
貴女が力を戻した事を姫様が話してくれて
私達も
力を取り戻して
隠れ鬼ではなくただの鬼として
八瀬の分家の六瀬の鬼として
姫様達と八瀬の里で暮らすことを決めたの
不安にさせてしまってごめんね
もう私達は大丈夫よ
掟の事もこの間に考え直して
変わったの」
貴「良かった」
千景「そうだな」
母「で、貴女は何故風間さんと?
試衛館の皆はどうしたの?」
貴「…皆とは別の道を歩むことになったの
私は千景さんと夫婦になる
それで風間さんは西の鬼を束ねている程の方で
私が純血かどうか確かめなきゃいけないって」
母「風間さんと!?
…まぁいいわ
貴女にも色々あったのでしょうし
今家系図を持ってこさせるから待っていて」
貴「うん」
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千(プロフ) - 三日月さん» わぁぁ((o(*>ω<*)o))ありがとうございます!!!伝わりにくい伝え方をするタイプ(説明ベタ)なのでそう言って頂けて嬉しい限りです!頑張ります! (2019年9月21日 20時) (レス) id: c4f6cd1616 (このIDを非表示/違反報告)
三日月(プロフ) - 所々で感動したり、読んでいて切なくなったり、文章力がすごいなと思いました。最後のおまけの話にはついクスッっと笑っちゃいましたwとても面白かったです!これからも頑張ってください!応援しています!\(^o^)/ (2019年9月21日 20時) (レス) id: a79d1676e0 (このIDを非表示/違反報告)
千(プロフ) - ミカドさん» ありがとうございます!!泣いていただけるなんて嬉しい限りです(;ω;) (2019年3月21日 19時) (レス) id: 56fbdf1421 (このIDを非表示/違反報告)
ミカド(プロフ) - めっちゃ、感動しました!!もう、涙を流しながら読ませて頂きました (2019年3月21日 19時) (レス) id: f327cce89d (このIDを非表示/違反報告)
千(プロフ) - 姫亜羅さん» わぁ.*・゚(*º▽º*).゚・*.ありがとうございます! (2018年12月17日 13時) (レス) id: 56fbdf1421 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千 | 作成日時:2018年12月17日 0時