離れない光【アンナチュラル】 (ページ36)

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No side

胸ぐらを捕まれ、久部は強引に携帯を奪い取られた

「どいつだ！」

やっと、いや、疑念が確信に変わり、彼は震える手で宍戸さんの連絡先を指差す

中堂は迷いなく通話ボタンを押した

___________________

『高瀬不動産だ！

お前も先に向かえ！

間に合え！！！』

聞くなり、家の鍵も閉めないまま、北瀬は走った

今三澄先生からの着信音がなっているということは、

「警察もくる･･･

急がなくちゃ」

バッグの中の冷たい感触を手で触れ確かめる

「なに、これ、･･･」

開けた部屋にはアルファベットごとに死因を書いてある大きな紙が貼られてあった

asunder
beat
Crash syndrome
drill
electricity
formalin
grind
heat
impact
jump
knifeliquid
marble

まさか、これが全部？？

そのとき、

ゾクリとした

人の気配を感じ、思わず逃げようと構えた

「っ、･･･「お、北瀬のお嬢ちゃん！」」

呼び止めた声の冷たさに、思わず振り向いた

「誰、あなた」

サングラスを掛けた怪しい男、バッグを肩にかけ直しながら、

口角を不気味に上げた

「･･･知らないだろうねぇ、

俺がほら、一方的に知ってるだけだから」

あの事件で

「･･･」

そういう輩は今まで何度も見てきた

無視して門を潜ろうとする

「おい！忘れてんぞ！」

至近距離から聞こえる声

シャッ、

脇腹が、一気に熱くなった

「い"っ、･･･あ"、、」

「大丈夫大丈夫、そんなに深くないから

･･････浅くもないけど、

今まで散々邪魔してくれてありがとね

楽しかったよ」

あともうひとつ、

呟く言葉を、今度はしっかり聞いた

「お嬢ちゃんは、"N"になるはずだったんだよなぁ」

薄れる意識の中で、思う

ああ、

私はやっぱり、

こんな人たちを許せない