乾青宗は妹を取られたくなくて必死な様子です【2】

初めまして ページ15

万次郎たちが追いかけている事など微塵も知らないAは既に校舎を出ていた


武臣くんの車はどこかな…と駐車場を見渡すA

すると、一際目立つ車を見つける


明司からは黒い車、としか言われてなかったがその車が明司の車だとすぐに分かった


《待たせちゃいけないし急がなくちゃ…！》

小走りでその車に近付くと、中から見えていたのか明司が車から降りてきて軽く手を上げる





『ごめん武臣くん！お待たせ！』

明「全然待ってねぇから大丈夫だよ。つーかそんな走ったら危ないだろ」

転んだらどうするんだ、と言いながらさりげなくAの荷物を持ち、助手席のドアを開ける明司


Aは明司のエスコートに少しドキドキしながら柔らかいシートに腰を下ろした







ーーーーー




明「おーい。来たぞー」

『お邪魔しまーす』

ジムの重い扉を開けて片手で押さえる明司
その脇からひょこっと顔を出すA




今「お〜、いらっしゃいAちゃん」

荒「よく来たな！そこ座っていいぞ」

千「…」

すぐに声をかけ笑顔になる2人
そして2人の隣には明司の妹、千咒が驚いた顔で立っていた



明「お、もう来てたのか。A、あそこにいんのが俺の妹」

そう言うと明司は千咒を手招きしてAの元へ呼んだ



千咒は最初Aを見た時驚いた様子だったが、今は目を輝かせながらこちらに向かってくる


千「明司千咒だ。よろしくな！」

『初めまして乾Aです。千咒ちゃんよろしくね』


笑顔で手を差し出す千咒にAもつられて笑顔になり手を差し出す



明「おいおい千咒…よろしくな！って年上なんだから初対面でそれはダメだろ」

千「あ、そっか。悪かったなA…サン…」

『いいのいいの！気にしないで。年上っていっても1つしか変わらないし呼び捨てて大丈夫だよ』




明司に注意された千咒に優しく微笑みかけるA

そんなAに千咒が懐くまでそう時間はかからなかった

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