乾青宗は妹を取られたくなくて必死な様子です【1】

学園祭 ページ33

暑さも少しずつ和らぎ、過ごしやすくなってきたこの時期。



毎年この時期になると帰りが遅くなるA。

『ただいま！』 青「ただいま」


赤「おかえり〜って青宗、また迎えに行ってたの？」

青「うん。Aが学園祭の準備で帰りが遅くなるっていうから心配で」


そう言いながら手に持っていたAの鞄を部屋に置きに2階に上がっていく青宗。


赤「相変わらずの過保護っぷりね…あ、それよりAのクラス今年何やるの？」


『今年はね在り来りなんだけど、喫茶店やるの』

在り来り、なんて言葉を使っているが結構楽しそうなA。

Aの通っている学校は有名進学校で勉強に力を入れているのはもちろんだが、学生らしく過ごす事も大切にしており、学校行事にも力を入れている。中でも学園祭は学生達に1番の人気を誇っている行事だ。


赤「喫茶店いいじゃん！今年もお父さんとお母さんと一緒に行くね。青宗は一くんと一緒に行くだろうし…」


『ありがと！お姉ちゃん達が来てくれるの楽しみだな〜。実はね、3年生は1番多く予算を貰えるから衣装とか結構こだわってるんだ！』


赤「そうなんだ！可愛いA見れるの楽しみだなぁ」
(こだわってる、ね…今年も大変な事になりそうだ…)


既に分かりきった未来にため息ひとつこぼす赤音だった。



ーーーーーー

ファミレスにて

A達はファミレスに来ていたが、人数が増えていつものテーブルに座れなくなったので2つに分かれて座ることに。




佐「A最近忙しそうだね。誰と会ってるの？」

羽「俺の事嫌いになった？俺はこんなにAの事好きなのに…」

エ「エマ何か嫌な事しちゃった？」

三「おいお前らあんまり問い詰めるなって……で、A、誰と会ってるんだ？」


1つはA強火ペンのテーブル。





龍「毎年この時期は学園祭準備で忙しくなるって分かってんだろ…」

場「あいつらAの事になると馬鹿だよな」

花「一昨日なんてマイキー君が突然うちの学校に来て、Aちゃんに会えないってだけで3年生殴ってました…」

松「マジかよ…すげぇ理由だな」

日「あれにはびっくりしたよね。ドラケンくんが来てくれて助かったよ…」


もう1つはマイキー被害者の会のテーブル。




しかしAは通常運転の4人に特に驚く様子もなく、上手く宥めていつも通りの会話を楽しんでいた。



そんなAを見た武道と日向は、まるで猛獣使いだ…と尊敬の眼差しで見ていた。

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