乾青宗は妹を取られたくなくて必死な様子です【1】

海の家 ページ20

日差しも強くなり、いよいよ夏本番が近付いてきた頃。

A達はいつものファミレスに居た。



佐「やっぱクーラーあるとこだよなー」


羽「まじで外死ぬかと思った」


龍「これでまだ7月とか…8月はどうなんだよ」


クーラーの効いている店内に避難してきたA達。

7人という大所帯ため案内されるのは決まって1番奥の大きいテーブル。

そして当たり前のようにAを間にして座る、独占欲が強い佐野と羽宮。


佐「はいA、メニュー表」


羽「決まったら俺に言ってね。一緒に頼んであげるから」


龍「分かった」


羽「は？俺が一緒に頼むのはAのだけだから」


三「まあまあ落ち着けって。それよりA、さっき言ってたゴム渡すわ」


三ツ谷から髪ゴムを受け取るA。


『ありがとう隆！暑いから髪結ぼうって思ったのに、家出てからゴム忘れたのに気付いちゃって』


佐「A貸して、俺がやる」


『えー、万次郎じゃなくて圭介がいい…』


場「席的に俺は無理だよ、ごめんなA」


Aの言葉を無視して髪綺麗だな〜、とご機嫌で髪の毛を結んでいく佐野。


松「なんか…羨ましいっす…」


羽「千冬は駄目だよ、絶対変な事考える」


三「それは一虎もだろ」






そんなくだらない話をしている7人の元へ1人の男が訪ねてきた。



真「おー、やっぱりお前らここに居たのか」



「「「「「真一郎くん！？」」」」」

佐「あれ、兄貴じゃん」




真「Aからよくここに集まるって聞いてたから、もしかしたらって思って来てみたんだ」


『そうだったんだ！とりあえず座ってよ！こっち側1人少ないから』


Aがそう言うと羽宮は黙って立ち上がり一旦出て、真一郎を先に座らせて後から自分も座った。


真「悪いな、一虎」


羽「いえ、話があるなら真ん中の方がいいから…」


そう言いながらもAの隣じゃなくて少し悲しそうな羽宮。



真「…あー、なんだ、今日はお前ら全員に話があってな。単刀直入に言うと、俺の知り合いの店を手伝って欲しい」


万「知り合いの店？」


真「そ、俺の知り合いが海の家を経営してるんだけど、毎年海開きする時は人手が足りなくて困ってるんだと。そこで少し間お前達に手伝って貰いたくて…」



海の家と聞いて目を輝かせる一同。



万「何それ楽しそうじゃん。やる」

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