乾青宗は妹を取られたくなくて必死な様子です【1】

似た者同士 ページ19

そんな雰囲気をぶち壊すかのように、九井家にインターホンが響く。


九(誰だよ、今めちゃくちゃいい雰囲気だったのに…)


少しイライラしながら玄関に向かい、扉を開ける九井。


そしてそこには青宗が。


青「悪いココ、A来てない？朝から姿が見えなくて…」


すると九井の後ろから顔を出すA。


青「A！？ここに居たんだ…」

『うん…』


九「とりあえず中に入れよイヌピー。ゆっくり話をしよう」



ーーーー

九井の部屋に着くないなや正座する青宗。


青「…A、お兄ちゃんが悪かった。Aの言っている事は正しいと思う。…本当にごめん」


『ううん、お兄ちゃんは悪くないよ。私を心配して言ってくれてるってちゃんと分かってる。ただ少しかっとなっちゃって…。本当にごめんね』


ちゃんと素直に謝る事が出来た2人。


そしてAは青宗に思い切り抱き着く。


Aをしっかりと受け止め優しく頭を撫でる青宗は、とても幸せそうな顔をしている。


青「俺、Aに嫌われたと思ってもう生きていけないと思った…」


『何言ってるのお兄ちゃん。私がお兄ちゃんを嫌いになるとか絶対ないなら。私こそ嫌われたと思ったよ』


青「それこそ有り得ないな。俺がAを嫌いになるとか死んでも有り得ない」



『ふふ、大袈裟だなぁお兄ちゃんは。…あ〜、仲直り出来て良かった！こんなに大喧嘩したの初めてだからどうしようって思ったの』


普段が仲良すぎてこんな些細な事が大喧嘩と捉えてしまう兄妹。


一見、青宗がAに依存して見えるが、Aも無意識のうちに青宗に依存していたのだろう。


何だかんだ言ってこの2人は似たもの同士なんだよな、と心の中で思う九井。


青「そういえばA、どうしてココの家に居たんだ？」


『…実はね、一くんに話を聞いてもらってたの』


青「Aも来てたんだな」


『私もって事はお兄ちゃんも来てたの？』


青「うん。昨日の夜来た」


『そうだったんだ〜！やっぱり私達兄妹だね』


楽しそうに話す兄妹を見て、やっぱりこの2人には仲良くいて欲しいと思う九井だった。

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