乾青宗は妹を取られたくなくて必死な様子です【1】

忘れ物 ページ16

普通に灰谷兄弟と会話する妹に驚く青宗。


青「なんでここに灰谷兄弟がいんだよ…」


蘭「あれ？俺達のこと知ってるの？君もそっちの人なんだ」

竜「…お前、黒龍の乾青宗か？」


青「…」


『黒龍って何？お兄ちゃん有名人なの？』


Aを危険に巻き込みたくないためそっちの話を全く話していなかった青宗は、Aにバレてしまったんじゃないかと焦り始める。


青「いや、たぶん人違いだ。戻るぞA」


『え、ちょっと待ってよお兄ちゃん…あ、蘭くんと竜胆くん財布ありがとうございました！』


Aの手を引いてスタスタと歩き始める青宗にAは慌てて蘭と竜胆にお礼を言う。


蘭「またね〜Aちゃん」

竜「次は財布忘れんなよ」


手をひらひらと振りながら挨拶する蘭と、黙って座っているも優しい顔の竜胆。



竜「まさか黒龍の乾青宗にこんなとこで会うとはな」

蘭「しかもあんなに可愛い妹が居たなんて知らなかった」


竜「…めっちゃ可愛かったな」

蘭「え〜竜胆がそこまで言うなんて珍しい」

竜「兄ちゃんだってかなり気に入ってるくせに」

蘭「だって超俺のタイプだもん」





Aの話題で盛り上がる灰谷兄弟とは打って変わって、乾兄妹は…


青「A、金輪際あの2人に近付くな」


『…！お兄ちゃんに私の友達関係まで口出しして欲しくない…それに蘭くんと竜胆くん優しいもん』


青「Aは何も知らないからそう言えるんだ」


『でも私は噂とか人から聞いた話で人を判断したくない』



珍しく折れないAと珍しく強い口調で話す青宗。

そしてこのタイミングで赤音が合流する。


赤「A〜青宗〜、財布見つかった？…え、なんでこんな雰囲気悪いの？」


『財布は見つかった…けど…』


そのまま黙ってしまうAと何も話さない青宗。


赤「財布見つかったんだ、良かったねA」


『うん…』


赤「…。も〜2人が喧嘩するなんて珍しいじゃん。とにかく今日は帰ろ？」


困ったように笑うと、自然にAと青宗の間に入り歩き出す赤音。


《どうしよう…お兄ちゃん全然話してくれないし目も合わせてくれない…》


青(どうしよう…絶対Aに嫌われた。もう無理、生きていけない…)


赤(この2人が喧嘩とか何があったんだろ…いつもなら青宗がすぐに謝るのに)




下2人の喧嘩が珍しすぎてどう対処したらいいのか頭を悩ませる長女だった。

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