乾青宗は妹を取られたくなくて必死な様子です【1】

転校生 ページ10

桜も散り木々の葉が緑に染まり始めた頃、Aのクラスに季節外れな転校生がやって来た。


先生「みなさん、今日から新しくこのクラスの仲間になりました吉澤諒くんです。仲良くしましょうね」


吉「初めまして、吉澤諒です。皆さんとたくさん思い出を作りたいです。1年間よろしくお願いします」


転校生の吉澤諒は整った目鼻立ちと爽やかな笑顔で、女子は小声でキャッキャと話し、男子も好意的な目で見ている。

早くもこのクラスで上手くやれそうな雰囲気だ。


先「席は空いているAさんの隣の席ね。はーい、じゃあHR始めるよー」


吉澤は1番後ろの席に向かうと、隣の席に座るAを見て驚く。

吉(え…何この子、めっちゃ可愛いんだけど)

「…初めまして、これからよろしくね」


『初めまして乾Aです。こちらこそよろしくね。あと分からない事あったらなんでも聞いてね！』


にこにこと笑顔で自己紹介するA。



後ろで話している2人を見てクラスのみんなは

(なんか別世界の人達みたい…)
(Aちゃんの隣に居ても違和感ない吉澤すげぇな)
(顔面偏差値あそこだけ高っ)
(目の保養になるわぁ)


絵になる2人を見てそんな事を思っていた。







ーーーー
そして放課後

クラスのみんなは部活だったり塾だったりと忙しなく教室を出て行く。


そんな中、吉澤がAに話し掛けた。


吉「Aちゃん、今日の放課後何か予定あったりする？もし良かったら校内を案内して欲しくて…」


『うーん、予定はあるけど…大丈夫！今連絡するから少し待ってね』


そう言うとAはかばんから携帯を取り出し佐野達に連絡する。

''ごめん、急な用事が出来てそっちを優先させたいからファミレス行くの遅れる…本当にごめんね''


吉「いや、予定があるなら大丈夫だよ…！」

『いいのいいの、いつも会ってる人達だし行くの遅くなったくらいで怒らないから』


そう言うとAは歩き出して

『じゃあ案内するね！早く覚えた方が移動教室楽だと思うし！』



そして嫌な顔せず、丁寧に一つ一つ案内してくれるAを見て、吉澤は胸を高鳴らせていた。

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