乾青宗は妹を取られたくなくて必死な様子です【1】

海の家~ショップ~ ページ24

〜ショップの2人〜



羽「なあ千冬、このイルカの浮き輪Aに似合うと思わねぇ？」

松「ちょっと一虎くん！裏に行かないで店頭に立ってくださいよ！」



店頭に立ってきちんと接客する千冬とは違い、裏に行ってグッズの整理をしてる風を装ってサボる羽宮。



羽「これはA専用だ。客に貸さねぇ」

松「何言ってるんすか！そんな事無理ですよ」

羽「あﾞ？じゃあ何のためにショップで働いてんだよ」

松「何のためって…真一郎さんの知り合いを手伝うためですよね？」


何言ってるんだ、と思いながらも真面目に答える千冬。



羽「馬鹿だなぁ千冬は。俺たちはAに似合うマリングッズをキープするために働いてんだろ」

松「いや違います！！目的変わってますから！！」

羽「お、このでっけぇ貝殻もいいなぁ」



千冬の言葉を無視した羽宮が手にしているのは、ひと1人座れるサイズの真っ白な貝殻の浮き輪。



松「……確かにその貝殻はAさんにすごく似合うと思います…」

羽「やっぱ千冬もそう思うだろ？これに座ったA、人魚姫みたいに可愛いんだろうなぁ」

松「人魚姫…」




想像したのか急に顔を赤くする千冬。


羽「…何顔赤くしてんだよ千冬〜」

松「え！別に何も考えてないっすよ！暑さのせいです！」

羽「嘘つくなって。Aの事考えてたんだろ？」



羽宮に図星を突かれて黙ってしまう。



羽「あ〜Aの話してたら会いたくなってきた。ちょっとホール行ってくるわ」

松「え！一虎くん！駄目っすよ」

羽「おい千冬。その貝殻はA専用だから取られないようにしとけよ」



またもや千冬の言葉を無視してスタスタと歩いて行く羽宮。



松(え〜どんだけ自由なんすか…ここに人員補充した意味ないじゃないっすか)



そう思いながらも貝殻の浮き輪を人目に付かないよう奥の方に隠す千冬。

なんだかんだ言ってAに使って欲しいと思っているのだ。







持ち場を離れて携帯片手にAに会いに行こうとする羽宮と、貝殻の浮き輪を見つめる千冬だった。

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