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『龍斗くん』
次の日
待ち合わせ場所に座っていたら、Aちゃんの声と、ヒラリと舞ったスカートに触れた感覚。
ちょうど良い風が心地よい。
「いこ」
『うん』
もともと一緒に遊ぶ予定だったみんなには
もちろん断りを入れてきたわけで。
今回はいつもの海の家とは反対方向の海に2人で行くことにした。
ちょこまかと歩くたびに鳴るサンダルの音が可愛らしい。
『なんか、楽しみで、ビーチボールとか
浮き輪とか持ってきちゃった』
「いいじゃん、楽しそう」
『海ではしゃぐなんてどうせできないだろうなっておもってたから、すごく嬉しい
ありがと』
そう言って覗き込んでくるAちゃんと目を合わせたら恥ずかしくて、つい逸らしてしまう。
『こっちだよ』
「ちょ、危ないよ」
彼女の案内で道路に出ると通りには沢山の車
その車が途切れた時"いこ"と彼女が笑って
俺の手首をそっと掴んで走り出す
道路を越えれば、雲ひとつない空と真っ青な海。
『こっちは、海の家とかもないから
向こうより人が少ないの』
と説明しながら砂浜を降りていくAちゃんに、俺もすかさずついていく。
その後ろ姿に、この下に水着を着ていることを想像して、少しだけ罪悪感を抱いた。
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『龍斗くん、腹筋すごいね』
「えへ?そう?」
『びっくりした!かっこいいね』
お互い水着になって海の方へ向かって仕舞えば、恥ずかしさなんてなくて。
『冷た!きもちい』
「ほんとだ!
って、うわ!」
2人足をつけて落ち着いたと同時に両手で俺に思いっきり水しぶきをかけてきたAちゃん
『あはは!』
「もう!」
軽くやり返せば、楽しそうに逃げるから
それを俺も追いかける
落ち着いてたさっきまでの雰囲気が嘘みたいに楽しそうな姿が俺の心をもっと奪っていく
ビーチボールを投げ合ったり
浮き輪で浮かぶ彼女を引っ張ってあげたり
恋人と変わらないじゃん、と思っているのは
俺の方だけなのかな??
少しだけ、そんなAちゃんに触れたくて
手を伸ばしてみれば"どうしたの?"という顔で俺を見ていて
とっさに引っ込めようとしたら
同じように差し出された彼女の手
『えいえいおー?
あれ?ちがった?』
「っ…違くない」
そんな彼女の対応がやっぱり
好きだな。と心に染みる。
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みーま(プロフ) - 最後においシャンの歌詞でてきてやられました……🤦♀️作ちゃんの良さめちゃくちゃ詰まってます!!ありがとうございます!!! (7月27日 14時) (レス) @page41 id: e266a86186 (このIDを非表示/違反報告)
hiレベルな小5 - こんな素敵なお話ありがとうございました! (2020年2月17日 18時) (レス) id: 62d5677c5a (このIDを非表示/違反報告)
ちゅっきー(プロフ) - ハヤテさん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!^ - ^ (2019年8月26日 2時) (レス) id: c0a7664ca3 (このIDを非表示/違反報告)
ハヤテ - 面白かったです!《*≧∀≦》私の暇な夏休みにぴったりなお話でした! (2019年8月22日 19時) (レス) id: ef8049b1e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はいはいこらぼ x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=blueao5&scr=novel/jeyuto01...
作成日時:2019年8月13日 22時