はいはいじぇっつと恋をしようぜ！

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___『…あの、これってここであってますか？』


空になった焼きそばの容器を持って、俺に声をかけてきたさっきの女の子。

こんなだだっ広い海で、一度出会った人に偶然もう一度会うことなんてそう簡単にあるはずがない。

つまり、ここを逃したらこの子にもう一度会うことなんて奇跡に近くて。

何かアクションを起こさなきゃと思いつつ、緊張して声も出ない。

俺、普段は結構口達者な方なのに。

好き(になったかもしれない)子の前ではどうも普段の自分は発揮されないらしい。


『…？
この容器、お兄さんに渡すで合ってますよね？』
｢…ぁ、合ってます！すいません、わざわざありがとうございますっ！｣


…いや俺不自然すぎだろっ！
女の子に接する機会がないだけで、こんなにも挙動不審になるのか。


『…あと、これ、、私Aっていいますっ！よかったら、その、連絡くださいっ！』


失礼します！と言い残し慌てて走っていってしまった彼女、、もといAちゃん。
俺の手元に残されたのは、空の焼きそばの容器と、Aちゃんのものであろう連絡先の書かれた紙。

…え、何これ。怒涛すぎてついていけない。

想像していた現実と全く違うことが起こって、軽くパニックになっているけど、ただ一つ分かるのは、気になっている子の連絡先が手元にある、ってだけ。

……夢か？

そうだ、これは夢だ。暑さがみせる、8月の夢。


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