１７６ ページ40
side:Shinjiro
Aがぎゅっと目を閉じたのを確認したら
壁に寄りかかって力のない体の
胸ぐらを容赦なく掴んで
思う存分殴って、腕が疲れたら蹴って
『やめ...っ...！』
苦しそうに発せられる声に心は動きもしない
.
真「やめへんよ」
きっとAは、こうやって
何度も何度も「やめて」と叫んで
それでも屈服されて支配される恐怖を経験して
真「怖いやろ？抵抗してもやめてもらえんのって」
真「Aはもっと怖かったやろうな」
あの日からずっと、今まで
弱さを抱えながら強く生きようと前を見て
小さな体で一人で戦ってきた
.
そんな姿をずっと隣で見てきた
.
やっと今になって
前だけを見れるようになったのに
何でこいつは
何度もAを苦しめようとするんや
.
こいつさえ、いなければ
.
『やめ...っ...それは！』
.
気がつけば
焦った顔をしたAが俺の腕を掴んでいて
俺の目の前には真っ青な顔をしてる男がいて
．
どうして、Aは
俺を止めるんだろう
今なら、こいつを消せるのに
．
Aを苦しめてきた原因
今なら、そいつを消せるのに
．
「真司郎...っ...！」
「それはだめ...っ...！」
焦った声が部屋に響き渡った
真「何で？」
真「こいつはAを傷つけて苦しめて」
真「これくらい当然のことやろ？」
後悔や恐怖
もっともっと色々な感情でこいつを苦しめて
今まで、Aが苦しんだ分
それよりもさらに大きな罰を与えないと
真「いや、こんなんじゃ足りひん」
真「もっと苦しめてやらんと気が済まない」
血だらけの男を上から見下ろす
もう一度、殴ろうと手を伸ばすと
血だらけの手をAがそっと握った
．
「その人のせいで真司郎が罪を背負うことない」
「お願いだからやめて...？」
その目から感じ取れたのは“恐怖”
男に恐れている恐怖心ではない
それは
俺に会えなくなる恐怖
一人ぼっちになる恐怖
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 978人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
名無し81912号(プロフ) - 一気に読んでしまいました。続きが楽しみです！ (2022年1月11日 2時) (
レス) id: 36c6def599 (このIDを非表示/違反報告)
サイダー(プロフ) - 待ってました！！今のご時世大変かと思いますが気長に更新を待ちます！ (2021年11月1日 1時) (レス) @page47 id: f9366089c6 (このIDを非表示/違反報告)
さるもねる(プロフ) - 面白いとか素敵…なんて言葉じゃ表せないくらい幻想的で、大人の色気とか孤独とかを感じます。このままのフィニッシュでもいいんではないかと思えるほど素敵な作品だと思います。ですが、ななさんが描くこの物語の最後を見てみたいので更新楽しみに待っております。 (2021年10月26日 4時) (レス) @page45 id: 6e2fd367e1 (このIDを非表示/違反報告)
あや - 更新楽しみです！ (2020年4月12日 23時) (レス) id: d34a518595 (このIDを非表示/違反報告)
こなほし(プロフ) - 歌詞との繋げかたとか、それぞれの個性とか、危ないけど快感は止められないっていう感じとかもう好きなところキリがないです。。作者さんの感性ほんと読んでて尊敬します。とっても勉強になります…！完結は大変だと思いますが、更新楽しみにしてます！(*´ω｀*) (2019年9月3日 6時) (レス) id: 0dea70abe6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なな
| 作成日時：2018年3月25日 15時
