恋した彼はトリプルフェイス④【名探偵コナン】 (ページ22)

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赤井side～②～

次々と各分野の報告が進み、
最後に、俺が日本で掴んだ“烏丸グループ”に関する報告が終わった。

そして…

ついに、黒の組織壊滅に向け、FBIの威信をかけた“最後の作戦”の決行が決まった。

「よし！ではこれより、最終調整に入る。
赤井、頼んだぞ！！」

上司の言葉に「了解」と短く答えると、俺は部屋を後にした。

ーーー

「赤井君！」

廊下に出た俺は、後ろから呼び止めてきた二人の方を振り返った。

「赤井君、あの子のこと……よろしくね」

「僕達はもう……側についていてやれないから…」

苦しそうに顔を伏せる二人に、俺は胸が痛んだ。

「………彼女は“駒”なんかじゃない。
あなた達が育ててきた“娘”だ…」

俺がそう言うと、二人は一瞬目を見開き、そこにみるみる涙が溜まっていく。

「この作戦が終わったら、必ず彼女はあなた達のもとに戻ってくる。

その時彼女が………ララでも、Aでも………
あなた達の娘であることは、変わらない」

「………ありがとう…」

泣き崩れそうな互いの体を支えあい、絞り出すようにそう言った二人に、FBIのエースと呼ばれた頃の面影はなかった。

そこにあったのは、娘を心配する父と母ーーー
　神宮祐介と神宮千里の姿だった。

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