恋した彼はトリプルフェイス④【名探偵コナン】 (ページ3)

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今日は約束の日曜日。

私は早朝から、零のリクエストのおかず達をせっせと作り上げていた。

「おはよ～あら、美味しそう！」

ふわわ…と大きな欠伸をしながら現れた母は、唐揚げを一つ摘まむとパクリと口に運んだ。

『おはよ、お母さん！…どう？』

「ん！美味しい！！」

お墨付きをもらい、よし！と更に調理を進める私を母は微笑ましく見つめている。

「彼氏、体調戻ったみたいでよかったわね？」

『ふぇ！？』

慌てて振り返ると、母が「ふふふ」と笑った。
色々と誤魔化していたけど、やはり母は全てお見通しだったようだ。

「今度、うちに連れてらっしゃい。
Aの大切な人と、会って話してみたいわ。」

『う、うーん、でも、お父さんが……』

社交的で彼氏大賛成の母はきっと大丈夫だが、
あの父は………私への溺愛が過ぎるからなぁ…

「大丈夫。Aが選んだ人だもの、お父さんだって認めてくれるわよ。
まあ……勝手にいじけるだけよ。
気にしない気にしない！

ね？今度連れてきて？会ってみたいの。
Aを、こんなに幸せそうな顔にさせてくれる人に。」

『…うん、わかった。
すぐには無理かもしれないけど、約束する』

母の温かい手に頬を包まれながら、私は笑顔で答えた。母の優しい眼差しからは、いつも私への深い愛を感じる。

血の繋がりがないと知っても、何一つ変わらなかった私達の関係。
それはひとえに、父と母の深い愛があったからこそ。

私の大好きな二人に、零をちゃんと紹介したい。

今だと、やっぱり“安室透”として紹介することになるのかな？でもそれだと後々面倒くさそう…
とすると、“降谷零”に戻ってからのほうがいいのかな？いやでもそれだといつになるか…

零に相談してみようかな、なんて事を考えながら、母と二人でお弁当を可愛く盛り付けると、
私は元気に家を出たのだった。