恋した彼はトリプルフェイス④【名探偵コナン】 (ページ18)

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安室side～②～

「そういえば……最近あのイケメンさん来ないなぁ」

「え？誰ですか？もしかして…梓さんの好きな人ですか！？」

梓さんのぼやきに蘭さんが食いついた。

「ち、違いますよ！むしろ…たぶんそのイケメンさんは、安室さんのことが好き…」

「ありえません！！」

梓さんの世迷い言を遮り、だん！とハムサンドの皿を置くと３人の肩がびくりと震えた。

「…安室さん、誰のこと？もしかして…」

コナン君の質問に、本当はその名前も口にしたくはないが、仕方なく答える。

「沖矢さんですよ」

何がイケメンだ、中身はあの赤井のくせに……
暇なのか嫌がらせなのか、ちょくちょくここにまで顔を出しやがって……今にあの善人面を引き剥がして息の根を止めてやる…

心の中で奴を罵りながらも、顔はにこりと笑う事を忘れない。

「ああ！沖矢さんなら、今、短期留学中なんですよ。ね、コナン君？」

「うん。２週間くらいアメリカに行くって言ってたよ」

「……アメリカ、ですか」

俺がぽつりと呟くと、女性陣が“しまった”と顔を見合わせた。

「え、えーと…あ！東都水族館ってついに来月オープンだよね！！」

「そ、そうそう！そうですね！！
目玉の大観覧車、乗ってみたいですよねー。
ねぇ！安室さん」

慌てて違う話題を降ってきた梓さんと蘭さんに、俺が「そうですね」と微笑むと、二人はほっとしたようにお喋りを続けた。

Aに関係することは、みんな“安室”の前では口にしなくなった。

“失恋した安室透”は、どうやらまだ周りに気を遣わせてしまうようだな……

コナン君からまで気遣いの視線を感じ、
俺は困ったように笑った。

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