恋した彼はトリプルフェイス③【名探偵コナン】 (ページ31)

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「Aがそこまで言うなら、安室君のことは
とりあえずは保留にする。
だが、組織には気を付けるんだ。
自分が狙われる存在だと自覚してくれ。
わかったな。」

『………』

私が返事をせずにいると、赤井さんは私の目の前に立った。

「俺の話に戸惑うのはわかる。疑問に思うこともあるだろう。いきなり信じろという方が無理かもしれない。
…もしお前が望むなら、俺にできる限りでお前の過去を調べてやることもできる」

彼を見上げると、その瞳はまっすぐ私に訴えかけていた。鋭さとともにある澄んだ強い意思。

「俺がAに正体を明かしたのは、お前に俺という人間を信用してほしいからだ。
今日、あんな危険な目に合わせておいてすぐには信じてもらえないのは仕方ないが…
だが、それでも信じてほしい。」

彼の言葉は信じられる。
それは直感で感じていた。

「俺はお前を守りたいと思っている。
だから、何かあった時は俺を頼れ。わかったな』

少しの沈黙のあと、私がゆっくりと頷くと赤井さんは「よし」と、私の頭にぽんと手を置いた。

この部屋を訪ねた当初は、あんなに彼の存在が怖かったのに…
今は不思議と、その大きな手は私に優しさと安心感を与えてくれていた。

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