恋した彼はトリプルフェイス③【名探偵コナン】 (ページ20)

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扉を閉めると快斗君はものすごい勢いで私に向かってきた。

「おめーこんなところでなにしてんだよ！？」

声を押し殺してはいるが、その勢いはかなりのものだ。しかも声色もいつもの快斗君になっていた。

『そっちこそ何よ、その格好！？』

「これには色々訳があんだよ！！」

『どんな訳よ！？』

扉の向こうで焦っている零の声がした。

「まったく！噂通りの困った娘だ！！
少々手荒く行かせてもらうぞ！」

すると快斗君は鮮やかな手付きで隠していたハンググライダーを組み立て、それを装着した。

「訳は後でだ！とにかくこい！！」

そう言うや否や快斗君は私を抱き上げ、反対側の扉から外に飛び出した。
突然の浮遊感と、下に見えた断崖絶壁に恐怖を感じた。

『きゃあああ！！』

ドンッッ！！

私の絶叫はほぼ同時に響いた爆発音に飲み込まれた。

『え！？』

快斗君に抱きつきながら飛び出した方を見ると、
さっきまで乗っていた貨物車が切り離されてた。
８号車との連結部分に、爆風で倒れたと思われる零が立ち上がる姿がちらりと見えた。

無事でよかったーー

ほっとした、次の瞬間…

ドォォォン！！

さらに大きな爆発音とともに炎に包まれた貨物車。
あと一瞬遅かったら、私達は……

私はあまりの出来事に言葉を失った。