恋した彼はトリプルフェイス③【名探偵コナン】 (ページ17)

今日:4 hit、昨日:11 hit、合計:117,510 hit

17 ページ17

頭が混乱しながらも、どうしても零のことが気になり８号車のほうに向かって走りだした。
そして８号車に着くと私は誰かにぐいっと腕を引っ張られそのまま近くの客室に引きずり込まれた。

『！！』

私が条件反射で放った裏拳をパシりと軽く受け止めた彼を見て、思わず叫びそうになったのをなんとか堪え、声量を落とした。

『れ！安室さん』

「A、時間がない。俺がこれから言うことをよくきくんだ。
お前はこのまま一番後ろの貨物車に行って隠れていろ。そのまま、何がおきても絶対に出てきては駄目だ。わかったな？」

私の話を遮り、焦った彼の様子。
また足を引っ張ってしまっているのかもしれない、そう思うと申し訳なくて、私は素直に頷いた。

まったく状況がわからない中で、今唯一信頼できる彼の言葉。

私はぎゅっと零に抱きついた。
いつもの彼の香りを確認すると心が落ち着いた気がした。

そして私は彼の指示通りに貨物車へと向かった。